[世界のリーグ観客数ランキング]プロ野球がMLB超え!意外な競技が上位に…

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2019.07.08

 

 

2018シーズン、

 

日本プロ野球(NPB)は過去最多となる2555万719人

もの観客動員数を記録し、

 

 

 

JリーグもJ1、J2、J3を合わせて976万9629人の過去最多を更新した。

 

 

日本の2大プロスポーツリーグが堅実に成長している中、世界の主要なプロスポーツリーグは、いったいどれだけの観客を集めているのだろうか?

(文=池田敏明、写真=Getty Images

 

 

トップは圧倒的な観客動員数を誇るNFL

2018年7月に世界的クラッキ、アンドレス・イニエスタが電撃的に移籍加入して以降、ヴィッセル神戸の試合のチケットが“プラチナ化”している。ホームゲームはチケット完売の試合が続出。アウェーゲームでも観客動員数は大幅に増えており、例えば、ことし4月20日のJ1第8節の浦和レッズ戦では、イニエスタと今シーズン加入したダビド・ビジャは欠場したものの、埼玉スタジアム2002に5万4599人の大観衆が集まった。

 

イニエスタの影響でJ1リーグの観客動員は明らかに増加しているが、世界にはJ1をはるかにしのぐ観客を動員するプロスポーツリーグがある。通年のリーグの場合は2018シーズン、年をまたぐリーグは2018-19シーズンの各リーグ1試合平均の観客動員を比較してみよう。

 

1試合平均6万7100人という他を圧倒する観客動員数を記録したのは、

 

 

 

北米4大プロスポーツリーグの一つである

 

アメリカンフットボールのナショナルフットボールリーグ(NFL)だ。

 

 


多数の観客動員を記録するには、スタジアムの収容人数そのものが多いというのが前提条件だが、

NFLはニューヨーク・ジャイアンツとニューヨーク・ジェッツの本拠地であるメットライフ・スタジアムの8万2500人を筆頭に、

ほとんどのチームのスタジアムが6万人以上の収容人数を誇る。

 


レギュラーシーズンの年間試合数が1チームあたり16試合と他のスポーツに比べて極端に少ないこともあって

チケットの希少価値が高く、

ほとんどのチームが90%以上の動員率を誇っている。

 

 

 

トップを譲るもサッカーの世界的人気が示される結果に

 

2番目と3番目に多いのはサッカーで、

 

ドイツのブンデスリーガが平均4万3458人、

 

イングランドのプレミアリーグが3万8168人となっている。

 

ブンデスリーガは2006年に開催されたFIFAワールドカップ・ドイツ大会の開催を機に各地でスタジアムの整備が進み、

ビジネスラウンジや飲食店が併設され、

快適な環境で観戦できるサッカー専用スタジアムが増加した。

 

チケット代もそれほど高くはなく、

チケットを持っていれば当日は管轄内の公共交通機関が無料で利用できる点なども観客動員増加の一因となっている。

 

 

 

プレミアリーグの場合も、

各クラブがスタジアムを所有して

快適な観戦環境を提供するための整備を進めたこと、

リーグ自体のレベルが高く、

世界中の一流選手が集まっていることなどが影響し、

高い観客動員を誇るようになった。

 

 

スペインや

イタリア、

メキシコなど、

各国のサッカーリーグも上位に名を連ねており、

 

イングランドについては2部リーグのEFLチャンピオンシップでさえ

平均2万人以上の観客動員を誇っている。

あらためてこの競技の普遍性と世界的人気の高さがわかる結果といえる。

 

 

 

 

日本ではマイナーなリーグが意外にも上位へ

オーストラリアンフットボールのAFL(オーストラリアンフットボールリーグ)や

 

クリケットのIPL(インディアン・プレミアリーグ)、

 

BBL(ビッグ・バッシュ・リーグ)、

 

カナディアンフットボールのCFL(カナディアンフットボールリーグ)といった、

 

日本人にはなじみの薄いスポーツのリーグも

上位に名を連ねている。

 

アメリカンフットボールと同様、

ローカル色の強い競技ではあるが、

地元では圧倒的な人気を誇っており、

1970年に行われたAFLのグランドファイナル(優勝決定戦)は

12万人以上の観客を動員したという。

 

 

 

 

プロ野球はMLBを上回る結果に

日本で最も人気の高いスポーツリーグである

日本プロ野球(NPB)は

平均2万9785人の観客を動員しているが、

 

注目すべきは

アメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)の平均観客動員数(2万8830人)

を上回っている点だ。

 

 


MLBの平均観客動員数が3万人を割ったのは2003年以来で、

ロブ・マンフレッドMLBコミッショナーは悪天候が続いたことを

動員減少の理由に挙げたようだが、

 

一方でマイアミ・マーリンズや

 

カンザスシティ・ロイヤルズ

のように主力を放出して

チームとしての魅力が大幅に下がった球団が増えた点、

 

フライボール革命や

守備シフトの導入で

三振やフライアウトが増え、

野球自体が「つまらなくなった」ことなども少なからず影響しているようだ。

 

 

 

 

一方、

 

NPBは

 

スタジアム自体がファンを引きつける広島カープや

 

横浜DeNAベイスターズが90%超の観客動員率をキープし、

 

中日ドラゴンズも

松坂大輔の加入効果で動員が増加。

 

 

 

パ・リーグでも

“山賊打線”で久々のリーグ制覇を達成した埼玉西武ライオンズや

 

井口資仁監督が就任した千葉ロッテマリーンズが

観客数を増やした。

 

 

選手たちはNPBで実績を積み上げて

MLBを目指す流れになっているが、

少なくとも集客力という面において、

NPBはMLBにも匹敵するものになっているといえるのではないだろうか。

 

 

 

 

J1は10年ぶりの1万9000人超え

J1リーグも近年、

少しずつだが観客動員を増やしている。

2018シーズンはイニエスタ加入効果を受けた神戸が1試合平均で3000人超も動員を増やしたことに加え、

 

J1に復帰した名古屋グランパスが1試合平均2万5000人近い動員を記録したことも

増加の要因となっている。

 

 

ただし“イニエスタ特需”はいつまでも続くわけではないので、

今後さらに動員を伸ばすためには、各クラブのさらなる努力が必要になるだろう。

 

 

ちなみに、競技フィールドや会場の規模の影響により、

 

上位はすべて屋外競技のリーグとなっており、

会場規模の小さい屋内競技はどうしても動員数が少なくなってしまう。

 

 

 

ナショナル・バスケットボール・アソシエーション(NBA)は

平均1万7857人、

 

ナショナルホッケーリーグ(NHL)は1万7456人だが、

 

NBA、

 

NHLともに動員率90%以上のチームが大半を占めており、

人気の高さがうかがえる。

 

この動員率で考えると、NPBやJ1には改善の余地が多く残されており、さらに数値を伸ばしていくことが期待される。

 

<了>

 

 

 

 

[ 主なスポーツリーグの平均観客動員数(2018シーズン、もしくは2018-19シーズン)]
1. NFL
 アメリカンフットボール/アメリカ
 6万7100人
2. ブンデスリーガ
 サッカー/ドイツ
 4万3458人
3. プレミアリーグ
 サッカー/イングランド
 3万8168人
4. オーストラリアンフットボールリーグ(AFL)
 オーストラリアンフットボール/オーストラリア
 3万6687人
5. インディアン・プレミアリーグ(IPL)
 クリケット/インド
 3万0004人
6. 日本プロ野球(NPB)
 野球/日本
 2万9785人
7. メジャーリーグベースボール(MLB)
 野球/アメリカ
 2万8830人
8. ラ・リーガ
 サッカー/スペイン
 2万6886人
9. セリエA
 サッカー/イタリア
 2万5237人
10. 中国超級リーグ
 サッカー/中国
 2万4107人
11. カナディアンフットボールリーグ(CFL)
 カナディアンフットボール/カナダ
 2万3855人
12. リーグ・アン
 サッカー/フランス
 2万2799人
13. リーガMX
 サッカー/メキシコ
 2万2787人
14. メジャーリーグサッカー(MLS)
 サッカー/アメリカ
 2万1873人
15. ビッグ・バッシュ・リーグ(BBL)
 クリケット/オーストラリア
 2万0552人
16. EFLチャンピオンシップ
 サッカー/イングランド
 2万0181人
17. ブラジル全国選手権・セリエA
 サッカー/ブラジル
 1万9959人
18. スーペルリーガ・アルヘンティーナ
 サッカー/アルゼンチン
 1万9839人
---J1リーグ
 サッカー/日本
 1万9079人
---NBA
 バスケットボール/アメリカ
 1万7857人
---NHL
 アイスホッケー/アメリカ
 1万7456人