ぼったくり」「家族を連れていけない」わずか1年半で閉館のスター・ウォーズホテル、一体どれだけ高かったのか?

ニューズウィーク日本版

<ライトセーバーの使い方を学べるなどでオープン当初こそ賑わった体験型ホテルだが、高額すぎる料金設定のせいで客室は埋まらず>

世界観に浸れる体験型宿泊に「人生最高の体験」という声もあったが(2022年2月24日、米オーランド) Lisa Richwine-REUTERS

 

 

 

米フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内にある映画『スター・ウォーズ』の世界観に浸れる体験型ホテル「スター・ウォーズ:ギャラクティック・スタークルーザー」が、オープンからわずか1年半で閉館することが決まった。

 

【千歳香奈子】 

 

 

【動画】閉館が決まった「スター・ウォーズホテル」の映画並みに派手なCM 

 

 

 

宇宙船に乗り込み、スター・ウォーズの住人となって2泊3日ではるか彼方の銀河を訪れる航海ができるとして鳴り物入りで昨年3月にオープンしたものの、

 

1人2400ドル(2人部屋を利用

 

という強気な宿泊料金があだとなり、

9月末で航海を終えることになった。 

 

 

<価格は高級ホテルのスイートルーム並み> 

オープン当初こそ賑わっていたものの、その高額さから利用者は減少を続け、今年に入ってからは100室しかない客室が埋まらず、値下げを行っていることがネットで話題になっていた。

 

 閉館理由は明らかにされていないが、4人で1部屋を利用した場合でも合計6000ドルと高級ホテルのスイートルーム並みの価格のため、「だまされた」「高価な窓のない客室」と不評を買っていたという。 体験型宿泊を謳っているだけあり、乗客は豪華宇宙船「ハルシオン」のゲストとして航海に参加するというストーリー設定のもと登場する映画のキャラクターたちと触れ合い、ミッションをこなし、ライトセーバー訓練に参加し、特別料理も楽しむことができる。パーク内にあるテーマランド「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」を訪れてミレニアム・ファルコンに乗船することもでき、心ゆくまでスター・ウォーズの世界に没入できる。

 

 

 <庶民には高嶺の花> 

宿泊料金にはエンターテインメントやアルコール等を除く飲食、「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」への入場料も含まれており、一家5人で7000ドルを支払った宿泊者は「人生最高の体験」だったと振り返り、閉館する前にもう1度訪れたいとメディアの取材で述べている。一方で、「料理は水準以下」「プロのカメラマンによる写真撮影など別料金のオプションでぼったくり」など、価値に見合わないとする批判的な意見も多く出ていた

 

<「高すぎて家族を連れていけない」>

また、せっかくディズニー・ワールドを訪れたのならミッキーにも会いたい、パレードや花火のショーも見たい、シンデレラ城にも行きたいとなるのは必然で、「スター・ウォーズ」以外のアトラクションやパークも同時に楽しもうとすると、家族4人1週間の滞在で2万ドルが必要だとの声もあり、庶民には高嶺の花だったことも否めない。 

 

一方、「中古車を買えるほどの値段設定でなければ、もう少し営業を続けられたかもしれない」など閉館を惜しむ声もある。

 

また、ファンの友人同士で参加して素晴らしい体験をしたとツイートした男性は、「高すぎて家族を連れていけないのが残念」と本音を綴っている。 

 

ディズニーは旅行需要の回復でテーマパークの業績は順調だったものの、

動画配信部門の赤字拡大が続いている

 

ことなどから夏前に総計7000人の人員削減を行うこと表明している

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