晴海フラッグタワー棟は4800万円台から、エントリー1万件超えで抽選は再び高倍率か

川又 英紀

 

日経クロステック

 

 

 

五輪選手村跡地の「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」分譲街区の売り主10社は2023年4月8日、50階建てのタワー2棟で構成する「HARUMI FLAG SKY DUO(晴海フラッグ スカイデュオ)」の販売開始に向けた完全予約制の事前案内会を開始した。タワー棟向けの新しいモデルルーム「HARUMI FLAGパビリオン」を同日に開設した。早くも予約が殺到している。

 23年1月に詳細が明らかになったタワー2棟だが、販売予定価格は今回初めて公表された。1LDKが4800万円台、3LDKが3億4900万円台となっている。

タワー棟「SKY DUO」向けの新しいモデルルーム「HARUMI FLAGパビリオン」がオープンした(写真:売り主10社)

タワー棟「SKY DUO」向けの新しいモデルルーム「HARUMI FLAGパビリオン」がオープンした(写真:売り主10社)

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 SKY DUOの情報公開以降、エントリー数は既に1万件を超えている。第1期の販売開始は、23年6月下旬を予定している。

 板状棟は、抽選に外れて購入できなかった人が大勢いる。当初の想定をはるかに上回る高い人気となった。晴海フラッグは周辺のタワマンに比べると、専有面積に対する販売価格が割安という認識が広がっているのが人気を集める大きな要因だ。

 その実績を踏まえると、タワー2棟は多少価格が高くても申し込みが多そうである。板状棟のように、人気の住戸は倍率が100~200倍に跳ね上がる可能性がある。

 SKY DUOは2棟とも地下1階・地上50階建てで、高さは約180m。総戸数は2棟合計で1455戸。25年10月下旬の入居開始を予定している。

PARK VILLAGE タワー棟の3LDKの住戸例(写真:売り主10社)

PARK VILLAGE タワー棟の3LDKの住戸例(写真:売り主10社

 

 

 

 

 

 

 

 

パビリオンには、3つのレファレンスルームを用意した。また、大型スクリーンで住戸からの眺望や居住空間を確認できる。パナソニック製の「VR(仮想現実)ドーム」では、48階の共用部に設ける居住者向けのスカイラウンジを実物大で疑似体験可能。150分の1サイズの模型も設置した。

大型スクリーンで、住戸からの眺望や居住空間を確認できる(写真:売り主10社)

大型スクリーンで、住戸からの眺望や居住空間を確認できる(写真:売り主10社)

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「VR(仮想現実)ドーム」で、48階に設けるスカイラウンジを実物大で疑似体験できる(写真:売り主10社)

「VR(仮想現実)ドーム」で、48階に設けるスカイラウンジを実物大で疑似体験できる(写真:売り主10社)

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150分の1サイズの模型を展示(写真:売り主10社)

150分の1サイズの模型を展示(写真:売り主10社)

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 SKY DUOの発表以降、公式サイトではタワー棟の様々な情報が順次公開されている。その中から、タワー棟の建築的な特徴を簡単に2つだけ触れておく。どちらも居住者にとってはありがたいメリットなだけに、その分も踏まえて販売価格を見極める必要がありそうだ。

 1つは、50階建てのタワー2棟は「免制震ハイブリッド工法」を採用していることだ。免震と制振のハイブリッド化で地震対策を強化したのはもちろん、居住性を高める柱ピッチや大梁(おおばり)の少ないフレーム構成とタワマンの安全性を両立させた。これにより設計の自由度を高め、開放的なプランを実現しやすくしている。

タワー2棟は、一番右の「免制震ハイブリッド工法」を採用している(出所:売り主10社)

タワー2棟は、一番右の「免制震ハイブリッド工法」を採用している(出所:売り主10社)

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 もう1つは、居住空間の有効面積を広げ、将来の間取り変更やリフォームに対応しやすい「スケルトン・インフィル」を導入していること。構造躯体(くたい)のスケルトンと内装・設備のインフィルを分離した。通常は住戸内に配置して専有面積に含まれるパイプスペースを、住戸外に設置している。床スラブは水回りなどの床段差に対応するため、段差部でFR板(リブ付きのプレキャストコンクリート板)を分割。レベル差を設けて敷き並べる工法を採用している。

「スケルトン・インフィル」の概念図(出所:売り主10社)

「スケルトン・インフィル」の概念図(出所:売り主10社)

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パイプスペースの配置の違い。配管を住戸外に設ける(出所:売り主10社)

パイプスペースの配置の違い。配管を住戸外に設ける(出所:売り主10社)

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 売り主10社は、次の通り。三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産、住友商事、東急不動産、東京建物、NTT都市開発、日鉄興和不動産、大和ハウス工業

 

 

 

 

 

 

エリア内の商業施設にスーパーのサミット

 これからタワー棟の住戸購入を検討する人も既に板状棟の購入を決めた人も、晴海フラッグで生活していくうえで死活問題になるのが日々の買い物だ。23年4月6日には三井不動産が、晴海フラッグのエリア内に設ける商業施設の名称を「三井ショッピングパーク ららテラス HARUMI FLAG」に決定した。24年春の開業を予定している。タワー2棟は、この商業施設に近いという利点もある。

晴海フラッグのエリア内にできる商業施設の名称は「三井ショッピングパーク ららテラス HARUMI FLAG」に決まった(出所:三井不動産)

晴海フラッグのエリア内にできる商業施設の名称は「三井ショッピングパーク ららテラス HARUMI FLAG」に決まった(出所:三井不動産)

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1階にスーパーのサミットが入居する。居住者の「台所」になる(出所:三井不動産)

1階にスーパーのサミットが入居する。居住者の「台所」になる(出所:三井不動産)

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 商業施設は地下1階・地上3階建てで、店舗面積は約1万m2。約40店が出店する。1階にはスーパーマーケットの「サミット」、3階には保育園やウエルネス施設、病院が入居する予定だ。晴海フラッグは陸の孤島になりかねない立地なだけに、徒歩圏内にサミットができるのはマンション購入を検討する人にとっては好材料になる。

 ららテラス HARUMI FLAGの基本設計は日建設計と三井住友建設、実施設計と施工は三井住友建設がそれぞれ手掛ける。施設の運営・管理は三井不動産商業マネジメントが担当する。

ららテラス HARUMI FLAGは、タワー2棟から近い。この距離の近さもSKY DUOを選ぶ理由になり得る(出所:三井不動産)

ららテラス HARUMI FLAGは、タワー2棟から近い。この距離の近さもSKY DUOを選ぶ理由になり得る(出所:三井不動産

 

 

 

 

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