いま解放しないと大変なことに」6年収監の男性が語るポイント 中国邦人拘束

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「スパイ活動」をしたとして、中国で日本人男性が拘束されている問題。日本政府も早期解放に向けて動くなか、サタデーステーションは、中国当局に拘束され、6年にもわたり収監を余儀なくされた男性を取材。そこで語られた、過酷な実態とは。

 

 

 

 ■「なにがトリガーに…」

広がる動揺 林芳正外務大臣は2日、中国の秦剛外相との会談に臨み、拘束されている日本人男性の早期解放を強く求める見通しです。外務大臣が中国を訪問するのは、3年ぶりのことです。 拘束が明らかになってから、1日で一週間。その詳細が少しずつわかってきました。 拘束されているのは、アステラス製薬中国法人の50代幹部です。男性が拘束されたのは、帰国直前だったことがわかっています。男性の足取りは、北京市内の中心部にある滞在先を出発したところまでは確認されています。 身柄を拘束した理由について中国外務省は… 中国外務省報道官:「スパイ活動に関わり、中国の刑法と“反スパイ法”に違反した疑いがあります」 容疑は、機密情報の収集に関わったとする「反スパイ法」違反。この事態に中国で暮らす日本人ビジネスマンの間では動揺が広がっているといいます。 中国在住の日本人ビジネスマン:「正直びっくりしました。昨日も会食の席でそういった話題で持ちきりになっていましたし、まさか私らも同じ北京に住んでいる者として、実際こういうことが北京で起きるんだなと改めて痛感した」 現在中国政府は、「スパイ行為があった」とする以外、明確な理由を示していません。ゆえに恐怖を感じるといいます。 

 

中国在住の日本人ビジネスマン:

「なぜ捕まったのか、

 

どんな嫌疑だったのか、

 

何をしたのか、

 

何が直接のトリガーになったのかということを、

 

やはり今後、できれば知りたいなというところはあります」 

 

 

 

 

 

■突然の拘束

 24時間監視も 「反スパイ法」が中国で制定されたのは2014年。

 

今回を含め、少なくとも17人の日本人が拘束されています。

 

 

しかしスパイの定義は不明瞭で、

当局が恣意的に拘束している危険性もあると専門家は指摘します。 

 

日本カウンターインテリジェンス協会 稲村悠氏(元警視庁公安部外事課):

「条文内に“その他のスパイ活動”というものがありまして、これが非常に厄介。

 

拡大解釈のもとに法の恣意的運用がなされる懸念が持たれる法律になります。

 

 

例えば、

単なる歴史の資料を取得しただけでも、

国家機密に当たると言われてしまえば適用される」 2016年、

 

「反スパイ法」違反で拘束され、6年の実刑判決を受けた鈴木英司氏。

 

日本へ帰国するため空港に着いたところで、数人の男に車に押し込められ拘束されたと言います。 

 

中国で拘束された鈴木英司氏:

「まあ解放されるだろう、場合によっては2~3日泊まっても解放されるだろうと思ったんですね。ところが、そこから7カ月そこにいることになるんです。監視役が2人いるわけですよ。常にこれは24時間いるんです」 

 

トイレやシャワーの最中も監視が続いたと言います。 

 

鈴木氏は、

北京外国語大学などで6年間教員を務め、

日中の交流団体の代表を務めていました。

しかしスパイに当たる行為など、全く身に覚えがないと話します。 

中国で拘束された鈴木英司氏:

「私の何がダメかと私は質問しました。

 

『スパイの疑いがあるから連れてきたのであって、問題が無ければ連れてこない』って。

 

『私が聞いたことだけに答えればいい』、

 

『質問する必要は無い。質問する権限も無い』と。

 

私が何条に違反するんだということも聞きましたけども、

 

『それは、私たちはお前に言う必要はないし、我々の権限ではない』と」 

 

24時間監視のもと取り調べを受ける「居住監視」という状態が7カ月間も続きました。

 

その後、正式に逮捕・起訴され、

裁判で有罪が確定。

 

釈然としないまま6年間収監されました。 

 

今回拘束された男性について、鈴木氏は… 

中国で拘束された鈴木英司氏:

「私と同じような“居住監視”に入っているはずです。逮捕されるまでが長いわけです。一番苦しい時じゃないかと思います。

逮捕されてから解放することはなかなか難しい、

あり得ない。

とすれば、

今の居住監視の時に解放しなきゃ大変なことになる。

私と同じになる。国が動かないといけない。

具体的には大使館が動かないといけない」 

 

 

専門家は、中国国内で拘束される危険性に警鐘を鳴らします。 

日本カウンターインテリジェンス協会 稲村悠氏(元警視庁公安部外事課):

「中国は、日本に対して優位に交渉を進めたい、そういった外交カードとして使いたい場合に日本人を拘束する。

過去の例をみても、会食の場で例えば政治的な話をして、それで摘発されたという例もある。

(中国国内では)特に中国政権にとって機微な問題、機微に感じている情報、そういったことに関しては口を慎むべきだと思います」 

 

サタデーステーション 4月1日OA

 

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