これが現在の実力とはいえ、”勝たないとねえ!”
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三笘薫、俺がエース弾! ドリブルだけじゃない!高打点ヘッドで先制点 コロンビアに逆転負けも…新生ジャパンけん引
サッカー・キリンチャレンジ杯(28日、日本1-2コロンビア、ヨドコウ)国際サッカー連盟(FIFA)ランキング20位の日本は、同17位のコロンビアに1―2で逆転負けした。MF三笘薫(25)=ブライトン=が前半早々に頭で先制点を挙げたものの、その後に前後半で1点ずつを失った。2026年W杯を目指して再スタートを切った第2次森保ジャパンの初勝利はならなかったが、新エースと期待される三笘が結果で応えた。
高い打点のヘディングで先制ゴールを決めた三笘(撮影・蔵賢斗)© サンケイスポーツ
人さし指を唇に当てるクールなポーズで歓声に応えた(撮影・蔵賢斗)© サンケイスポーツ
日本の新エースがいきなり存在感を放った。前半3分、右クロスに勢いよく走り込んだMF三笘は、迫力満点のジャンプ。相手DFに競り勝って頭でゴール左にたたき込むと、サポーターから大歓声が湧き起こった。
「来てほしいボールが来たので、タイミングだけ考えて跳びました」
FW町野のポストプレーを絡め、右からMF守田が正確なクロス。最後は三笘が能力の高さを見せつけた。1-1で引き分けた24日のウルグアイ戦は、後半44分までプレーして無得点。悔しさを晴らそうと2戦連続で先発し、課題とされた左サイドバックとの連係も修正した。A代表デビューのバングーナガンデの動きを見ながら、互いに内と外でバランス良くボールに絡んだ。
東京・国立競技場に6万超の観衆を集めたウルグアイ戦に続いて、チケットは完売。ピッチと客席が近く、臨場感のある大阪・ヨドコウ桜スタジアムに2万人がひしめいた。三笘はプロ入り前、筑波大蹴球部で指導を仰いだ小井土正亮監督(44)にこう言われたことがある。
「プロは応援されてナンボだ。周りから尊敬される選手、1人でお客さんを呼べるような選手になってほしい」
その期待に応え、世界最高峰のイングランド・プレミアリーグでカップ戦も含め今季9得点をマーク。16強入りした昨年のW杯カタール大会では「三笘の1ミリ」と呼ばれるスペイン戦でのアシストが話題を呼び、いまやボールを受けるだけで、日本の観衆は色めき立つ。「注目が勝っているのが事実なので、そこに追いつきたい」。そう話していた25歳にとって、昨年9月23日の米国戦以来となる代表通算6点目は、有言実行の一撃となった。
FIFAランキングで日本より格上のコロンビアに徐々に押し返されると、1-1の後半9分にベンチに下がった三笘が見つめる前で、同16分に豪快なオーバーヘッドキックを決められて勝ち越しを許した。「南米相手にこれが実力だと思う」。第2次森保ジャパンの初白星はお預けとなり、最初の活動を1分け1敗で終えた。
「(期待は)試合前のアップから感じる。そう見られていると自覚しないと」。6月に行われる次の活動で、必ず勝利に導く。(山下幸志朗)
★三笘と頭 三笘は英プレミアリーグでの今季公式戦9ゴールのうち、頭で2得点している。J1川崎時代に「苦手」と話していたヘディングだが、「プレミアでも決めているし、自信はあった。試合でコツをつかんで、精度は上がってきた」と胸を張った。相手を抜き去る華麗なドリブルや、味方を生かすピンポイントクロスが注目される中で、新たな武器が備わった