ミクロネシア大統領、台湾との外交関係模索 中国「賄賂攻勢」に反発

産経新聞

【シンガポール=森浩】

 

南太平洋の島嶼(とうしょ)国、

ミクロネシア連邦が

中国と断交し、

台湾との外交関係樹立を目指して交渉

していたことが明らかとなった。

 

 

 

5月に退任するパニュエロ大統領が関係者に宛てた書簡の内容を

ロイター通信などが報じた。

 

 

書簡では中国が賄賂などでミクロネシア政府高官を懐柔しようとしていると反発している。 

 

 

中米ホンジュラスのカストロ大統領が

14日に中国との国交樹立方針を明らかにする中、

ミクロネシア次期政権の判断が注目される。

 

 

 ミクロネシアと中国は

1989年に国交を樹立した。

 

 

パニュエロ氏は2019年の大統領就任以来、

中国が太平洋地域で影響力を拡大していることを警戒。

 

中国が昨年、

島嶼国10カ国と安全保障協定の締結を目指した際には他の首脳に署名を拒否するよう促した。 

 

 

パニュエロ氏は書簡で、

在ミクロネシアの中国外交官は

「米国、日本、オーストラリアといった伝統的な連携から脱却」させる使命を与えられていると指摘。

 

ミクロネシアの政治家を買収し、

国家の主権を損なわせようとしたと述べた。

 

中国と台湾が戦争になった際、

「ミクロネシアが米国ではなく中国に味方する」

よう政治家に工作を行っているとも記している。 

 

 

 

その上で、

2月に台湾の呉釗燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相に相当)

と協議を行ったとした。

 

 

ミクロネシアは台湾に

3年以内に約5千万ドル(約67億円)の支援を求め、

台湾からは暫定的に年間1500万ドルの支援策が提示されたという。 

 

 

パニュエロ氏は今月7日の総選挙で議席を失っており、

5月の任期満了で、

議員から互選される大統領職も退任する。

交渉の詳細は分かっておらず、

実際にミクロネシアが中国との断交に踏み切るかは不明だ。

 

 

台湾の呉氏は10日、

「意見交換」を行ったことは認めた。

 

台湾がミクロネシアと新たに外交関係を結べば、

07年4月にカリブ海のセントルシアと復交して以来となる。 

 

 

書簡についてミクロネシア政府はコメントしていない。

 

 

中国外務省の毛寧報道官は

10日の記者会見で

「中国は台湾当局と国家間のいかなる形式の公式交流にも断固として反対する」と述べた

 

 

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