すべてを手に入れたから「勝ち組」という発想はもう古い!

女性は仕事も家庭も「すべてを手に入れる」ことが成功なのか?

今年2月に辞任したニュージーランドのアーダーン元首相  Photo : Hagen Hopkins / Getty Images

今年2月に辞任したニュージーランドのアーダーン元首相  Photo : Hagen Hopkins / Getty Images

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フィナンシャル・タイムズ(英国)

フィナンシャル・タイムズ(英国)

Text by https://www.ft.com/anne-marie-slaughter

 

今年2月に辞任したニュージーランドのジャシンダ・アーダーン元首相。

 

 

アーダーンは2017年に、

37歳で当時世界最年少の女性首相に就任した。

 

 

その1年後には長女を出産。

キャリアも家庭もすべてを手に入れた彼女の、

自らの辞任は何を意味するのか。

 

プリンストン大学教授のアン・マリー・スローターが英紙に寄稿した。

 

「すべてを手に入れる」は成功か


「すべてを手に入れる」──そんな概念から自由になるべき時代がきた。これは「コスモポリタン」誌の編集長を務めたヘレン・ガーリー・ブラウンが広めたフレーズで、1970年代から80年代の女性たちの理想を表現している。

 

 



スーパーウーマンという強い女性像が流行したことも手伝い、母のように家庭生活と仕事の板挟みになることなく、父のように自由にキャリアを追い求めたいというのが、当時の女性たちの望みだった。しかしこの考えは、フェミニズムとしてあまりに狭量ではないか。

 

 



そこでわたしは10年前、わたし自身がアメリカ合衆国の国務省でのエリート職を辞めるに至ったジレンマについて、ある記事を書いた。驚いたことに、この記事はバズった

 

 

 

タイトルは、「なぜ女性たちは未だにすべてを手に入れられないのか」。働く女性のニーズに応えるべく、社会がどう変わるべきかというテーマにフォーカスした記事だ。

以来、作家や映画監督、新聞記者らにより、この大胆なタイトルに賛否両論が巻き起こった。だが、彼らはこのフレーズを使い続けていた。2022年の映画『すべてを手に入れる』(原題 Having It All、日本未公開)は、「キャリアと結婚生活、育児のバランスをとるという夢を実現すべく奮闘する」3人の女性を描いている。

ガーリー・ブラウンの著作の刊行40周年を記念したコスモポリタン誌の特集でも、「2022年の今、すべてを手に入れるとはどういうことか?」と問いかけている。

2023年現在での答えはこうだ。

 

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