2億円分のワイン盗んだ元「女王」の綿密な計画 1本5千万円の品も
スペインで2021年10月27日、リュックやスポーツバッグを手にホテル「アトリオ」を去る男女。スペイン警察が22年7月に公開した監視カメラの映像から=ロイター
スペインの裁判所は6日、計140万ユーロ(約2億円)にのぼる高級ワイン45本を盗んだ罪で、メキシコの元「ビューティークイーン」とそのパートナーに、それぞれ禁錮4年半と4年の判決を言い渡した。英ガーディアンなどが伝えた。
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報道によると2人は2021年10月、スペインの高級ホテル「アトリオ」から1806年産のビンテージワイン、シャトー・ディケム(1本35万ユーロ、約5千万円)を含むワイン45本を窃盗。22年7月、クロアチアに入国しようとした際に逮捕された。盗まれたワインは見つかっておらず、75万ユーロ(約1億円)の損害賠償の支払いも命じられた。 判決によると、事件は数カ月前から計画されていた。2人は事件当日まで少なくとも3回、このホテルを訪問。21年10月、女は虚偽のスイス国籍のパスポートで宿泊を予約し、合流した男とミシュラン三つ星のレストランで14品のコース料理を注文したあと、ワインセラーを見学した。
■従業員の1人態勢の時間帯を狙い…… 午前2時、女が部屋から受付に電話をかけ、1人態勢だった従業員にサラダを注文した。不審に思った従業員は一度拒否したものの、最終的には承諾。
その間、男はワインセラーに侵入するために受付からカードキーを窃取したが、別のカードだったことから、女は再びデザートを注文。その間に男がマスターキーカードを入手し、45本のワインをリュックサックと二つの大きなスポーツバッグに入れ、午前5時にホテルをチェックアウトした。
女は「45本のワインボトルが二つのスポーツバッグに入るわけがない」と容疑を否定、男は黙秘していた。 スペイン紙はこの女について、美女コンテストに出場した元「ビューティークイーン」だと報じているという。
(多鹿ちなみ)
朝日新聞