日本人なのに分かってる」世界的ブランドが認めたエスプレッソカップ 糸満市の陶芸作家が制作
イタリア発祥でバッグや衣類の世界的ブランド「BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)」の
店頭展示用や
顧客へのギフト(贈り物)にこのほど、
沖縄県糸満市の陶芸作家・今村能章さん(38)のエスプレッソカップが選ばれた。
「エスプレッソの本場である国のブランドから、カップの良さを認められたことがうれしい。本気で作ろうとした時、数え切れないぐらいの回数を飲んで協力してくれた人に感謝している」と喜びを語った。
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欧米やドバイなどに店舗を持つ「ボッテガ・ヴェネタ」は、手仕事にこだわる人や企業などを支援する活動に取り組む。その第2弾で昨年12月、
今村さんを含む日本や中国、米国の美しい装丁の
ノート、
チーズ、
ワインなどを作る14の「ボッテガ」
(イタリア語で工房)の製品を紹介した。
今村さんは兵庫県出身。
県立芸術大で陶芸を学んだ後、
飲食店勤務を経て2012年ごろから本格的に創作活動を始めた。
那覇市のコーヒー店で飲んだエスプレッソのおいしさに感動し、
14年ごろからカップ作りに取り組んだ。
カップの厚みや形で味わいが変わるといい、5年かけてほぼ現在の形にたどり着いた。丸みを帯びたカップの内側に純金を使うことで口当たりが滑らかになり、劣化を防ぐ効果があるという。
周囲にはマーブルやトカゲのような模様をあしらっている。
評判を聞いた「ボッテガ・ヴェネタ」から制作を依頼され、
昨年末までにカップ150個を納品。
日本やイタリアの店頭を飾った。
「エスプレッソの本場のイタリア人スタッフが『日本人なのにエスプレッソのことを分かって作っている』と話していたと聞き、うれしかった」と話す。
側面に人の顔を造形したカップやオブジェなどを制作している今村さん。「陶器を作って終わりではなく、そこから新しい価値観を生み出したい。
カップをタンブラーのように持ち歩き、コーヒー店を訪ねて飲んでほしい。ファッションの一部のようになれば」と夢を膨らませた。
今村さんへの問い合わせはインスタグラムのアカウント@yoshiaki_imamura(南部報道部・又吉健次
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