インフラ老朽化で衰退する日本のスキー場と対照的

値上げに設備投資… 外国人経営者がニセコで進める「日本のスキー場とは真逆の戦略」

Photo: Keattisak A / Getty Images

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ブルームバーグ・ビジネスウィーク(米国)

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Text by Peter Elstrom and Kanoko Matsuyama

 

今や世界的なスキーリゾートとなった北海道のニセコ。外国人観光客が集まる同地では、外国資本による開発が続く。一方で日本のスキー産業全体ではインフラが老朽化し、衰退しつつある。この対照的な現状の背景には、まったく異なる両者の戦略があった。

 

ニセコの雪に魅せられた男


寒さが厳しい1月のある午後、コリン・ハクウォース(65)は、パウダースノーが積もるお気に入りの場所を見せるために斜面を上がっていった。深く雪が積もった急斜面を滑り降り、木々の間を縫ってターンを繰り返すと、雪煙が舞った。

「こんな場所は他にありません。このように空気をたくさん含んだパウダースノーがどれほど特別なのか、スキー産業を理解すればわかるでしょう」と、オーストラリア人の彼は言う。

ニセコHANAZONOリゾートを運営する日本ハーモニー・リゾート株式会社のコリン・ハクウォース Photo: Noriko Hayashi / Bloomberg


北海道の西側に位置するニセコ町には、冬の間に日本海に吹き抜けるシベリアからの季節風によってほぼ毎日大雪が降る。1シーズンに積もる雪の量は少なくとも10メートルで、15メートル以上になることもある。世界的な高級リゾートであるフランスのリゾート・クールシュベルでは約3メートル、米コロラド州のベイルリゾートでは6メートルに過ぎない

 

 

 

 

ニセコの雪質に賭けたハクウォースは、日本のスキー産業において過去数十年で最大規模となる投資をしている。

 

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