米警察、取り締まり部隊「スコーピオン」を解散 黒人男性暴行死受け

毎日新聞

公開された警察官のボディーカメラの映像に映ったタイリー・ニコルズさん=米南部テネシー州メンフィスで2023年1月7日、AP

 

 

 

 

 

 米南部テネシー州メンフィスで今月7日、黒人男性のタイリー・ニコルズさん(29)が黒人の警察官5人(事件後に免職、殺人罪などで起訴)に暴行を受けて死亡した事件で、地元の警察当局は28日、警察官が所属していた犯罪多発地帯の取り締まり専門部隊「スコーピオン(サソリ)」の解散を発表した。

 

 

 

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警察当局は声明で、遺族の意見や地域社会、警察官らの話を聞いた上で「スコーピオンを永遠に活動停止にすることが、すべての人にとって最善の利益になる」と判断したと述べた。

 

 

 

遺族代理人の弁護士は27日の記者会見で解散を求めていた。  

 

米メディアによると、スコーピオンは2021年秋に創設され、

約40人の警察官で構成される。

 

覆面パトカーも使いながら殺人事件や強盗事件などの重大犯罪の摘発にあたっており、その実績も評価されていた。

 

 

一方で、こうした専門部隊は、有色人種を標的にし、

重大犯罪を犯していないかを探る口実として軽微な違反の疑いで呼び止めているとして、批判も出ていた。  

 

 

米CNNによると、

今回起訴された5人もスコーピオンに所属していたといい、

危険運転の疑いを理由にニコルズさんの車を停止させていた。

 

公開された当時の映像では、運転席から引きずり出すなり「何もしていない」と訴えるニコルズさんに殴る蹴るの激しい暴行を加えていた。  

 

 

米メディアによると、警察官らはニコルズさんの車が警察車両に衝突しそうになったと主張しているというが、捜査当局はその証拠はないとしている。  

 

 

専門家はCNNに対し、

「統計的に見ても、犯罪は減少していた」とスコーピオン創設の効果を評価しつつ、捜査現場で緊張を激化させるのではなく沈静化させる「ディエスカレーション」の訓練を受けていたのかなどの疑問点を挙げた。

 

 

【ニューヨーク隅俊之

 

 

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