失格者が止まらない“スーツ違反”。高梨沙羅の再びの処分に欧州メディアも異論「日本勢はあまり喜べない」
今月には世界女王も失格に
国内での一戦で失格となった高梨。そんな彼女のショッキングな結果には、さまざまな声が飛び交っている。(C)Getty Images
厳しくなった取り締まりに日本の天才ジャンパーが悩まされている。 1月15日、山形県・アリオンテック蔵王シャンツェ(ヒルサイズ102メートル)で開催されたノルディックスキージャンプ女子W杯の13戦目に出場した高梨沙羅(クラレ)は、2本目の試技の直後にスーツ規定違反で失格となった。
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際スキー連盟(FIS)が測定方法を変更した今季は、スーツを立った状態から仰向けで測る手法になったほか、股下の長さをレーザー機器で正確に測られるようになった。 今までもよりも厳格なスーツ測定が行なわれている状況下で、1回目、2回目ともに95メートルを飛んだ高梨。しかし、2回目の飛躍終了後に失格と判定されて最下位に。昨年10月に行なわれたドイツ・クリンゲンタール大会以来の悔しい結果となった。 国内大会での上位進出が見込まれていただけに、予期せぬ失格には小さくない反響が起きている。イタリアのスポーツポータルサイト『OA Sport』は「タカナシの失格に対する影響は大きい。彼女がいなくなってから日本勢はTOP10に誰も入れなかった」と強調。そしてドイツ専門サイト『Skispringen』は、短くも厳しい見解を記している。 「日本勢はサラ・タカナシが決勝で大きすぎるスーツを着ていたために失格となったため、あまり喜べない。ユウカ・セトウの14位が最高だった」 もっとも、スキージャンプ界ではFISの取り締まり強化により、スーツ規定違反を取られる選手が続出している。今月8日に札幌で行なわれた女子W杯の11戦目では、世界女王のマリタ・クラマー(オーストリア)が失格を命じられて小さくない物議を醸した。 ルールの厳格化で違反者が増えてしまった“異常事態”とも言われる状況は、オーストリアの全国紙『Kronen Zeitung』が「選手たちにとって苦い出来事が繰り返されている」と警鐘を鳴らすほどに苦しい。 今季の傾向を見る限りでは、おそらく今後も違反者は出る。そのなかで、ギリギリの争いを強いられる選手たちには、失格を避けるための対策が求められそうだ。
構成●THE DIGEST編集
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