中国のコロナ感染爆発、想定以上か…四川省では「6割感染」報道

 

読売新聞オンライン

27日、新型コロナウイルスの感染が広がる中、解熱鎮痛薬を用意する中国南東部・福建省の薬局の職員=ロイター

 

 

 

 

 

 【広州=吉岡みゆき】

 

 

中国政府が公表する新型コロナウイルス感染情報に各国から疑義が示されている中、政府で新型コロナ対策を担う国家衛生健康委員会の専門家は29日、「事実に基づき、オープンかつ透明性をもって公表している」と主張した。しかし、中国全土で進む感染爆発のスピードは、政府の想定をはるかに超えている可能性がある。 

 

 

 

【図表】中国本土や香港、マカオから日本に入国する人への対応は

 

 

 

 

 

 ネット上では、内陸部の陝西省西安市の葬儀場が手続きを求める人で埋め尽くされた様子を撮影したとされる写真が拡散している。香港メディアはこの葬儀場には連日約300人の遺体が運ばれてきて、対応が追いつかないと伝えた。感染者の増加に伴い、死者も急増している可能性がある。

 四川省では感染率が6割を超えたと伝えられている。省の党機関紙・四川日報は28日、衛生当局が約16万人を対象に行ったアンケート調査で、「PCR検査か抗原検査で感染が確認された」との回答が63・52%だったと報じた。19日の段階の調査では46・93%だった。

 同省の高い感染率が全国共通かどうかは不明ながら、中国の全人口14億人にこの感染率を当てはめ「8億人超が感染したと推計される」(香港紙・星島日報)との指摘もある。一方、中国疾病予防コントロールセンターが公表した28日の新規感染者は全国で5102人、新規の死者は1人だった。

 国家衛生健康委の専門家は29日の記者会見で、全国各地で医療現場が混乱しているとの指摘に対しても「我々の医療資源には一定の余裕があり、全国的に見れば緊迫している状態ではない」と反論した。

 一方、政府は帰省ラッシュや旅行が予想される来年1月22日の春節(旧正月)前後の大型連休に向けた予防策にも動き出している。

 中国メディアによると、今年も、地方政府がクーポンを発行したり、企業がボーナスを出したりして、労働者が生活拠点にとどまるよう促している。医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な農村への感染拡大を極めて警戒している模様だ

 

 

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