サマーズ元米財務長官は、最近発表された米インフレ率の数字は前向きで、今後見込まれるリセッション(景気後退)の到来は従来想定より遅くなる可能性があると語った。

  サマーズ氏はブルームバーグテレビジョンの番組で、11月の米消費者物価指数(CPI)が予想以上に減速したことを受けて「自分が考えていたより現在の状態は良好だ。良い数字だと思う」と発言。予想されるリセッションについて「やや時間的に先送りされた様子だ」との見解を示した。  

  それでも景気が実際に落ち込む際には、「物事は起きるまでは時間がかかるが、起きてしまえば思っていたより急速」ということになるのかもしれないと述べた。

  リセッションが訪れれば、とりわけ労働市場の急激な悪化と株式市場の急落に政策担当者は向き合うことになるだろうとも指摘した。

  一方、リセッション入りなら企業利益が低下し、「市場に悪影響が表れ、株式投資家は目を背けることができなくなるだろう」と予想。家計が貯蓄を使い果たした際に個人消費が崖から落ちるように急減するリスクにもあらためて触れた。

US Core Inflation Cools | Advance was smallest in over a year

 

 

  サマーズ氏は昨年から米金融当局に対して厳しい批判を続けてきたが、今では「ほぼ適切な位置に付けている」と評価。3月以降に計4ポイント余り政策金利を引き上げ、追加利上げを約束していることが背景にある。

  「米当局のこれまでの追い上げには満足している」と述べ、2%のインフレ目標の変更を拒み、将来の政策決定に関して柔軟な姿勢を14日の記者会見で示したとしてパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長を称賛した。

原題:Summers Says US Recession Timing Might Have Been ‘Pushed Back’

 

米国のリセッション時期、「先送り」された可能性-サマーズ氏 - Bloomberg