「YOLU」 I-ne
「Botanist ボタニスト」I-ne
「アンドハニー」株式会社ヴィークレア
「エイトザタラソ」ステラシード株式会社
「NILE (ナイル)」株式会社NILE PROMOTION
「ALLNA ORGANIC(オルナオーガニック)」イルミルド(製薬)株式会社
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Amazonで資生堂より無名シャンプーが売れる謎無名ブランドが勝つのには理由がある
田中 謙伍 : EC・D2Cコンサルタント、Amazon研究家、株式会社GROOVE CEO /
鈴木 俊之 : 編集者・ライター
Amazonで見かける“無名メーカー”上位表示の謎
ふと、Amazonで商品を眺めていると、ドラッグストアやCMでよく見かけるナショナルメーカーよりも無名のブランドが上位を占めていることがある。
実は、それにはしっかり「カラクリ」があるのをご存じだろうか。
たとえば、シャンプーで検索すると、資生堂や花王といった大手を押しのけ、「ベストセラー」「おすすめ」に選ばれている“無名”のメーカーが目にとまる。
いちばん右がオルナオーガニックというメーカーの商品だ
たとえば、画像いちばん右側の「ALLNA ORGANIC(オルナオーガニック)」(以下、オルナオーガニック)というメーカーの商品がある。この商品はTV CMをいっさい打っていない。
Amazonのスクリーンショット
画像いちばん左側が「Nile(ナイル)」(以下、ナイル)。TVCMで見たことがある人はいないはずだ
これらの商品には「Amazonおすすめ」「ベストセラー」の表記がある。
これは、知名度では圧倒的に高いであろうパンテーンやDove(ダヴ)などの有名メーカーの商品よりも、Amazonにおいてはヒット商品である、ということだ。
筆者は、新卒採用第1期生としてAmazonジャパンに入社し、現在はAmazonに商品を出品するメーカーの売り上げを伸ばすコンサルティング会社を経営している。
Amazonで起こる「ジャイアントキリング」
日々、Amazonと向き合って仕事をしていると、このようなTVCMに代表される大規模なプロモーションを打っていない“無名メーカー”がランキング上位に君臨する、まるで「ジャイアントキリング(番狂わせ)」と呼ばれる図式に出会うことがある。
端的にその事実を示そう。
下記は筆者の会社で調査したAmazon内の「シャンプー」カテゴリの上位商品だ。
Amazon内のシャンプー売り上げの割合(2022年8月株式会社GROOVE調べ)
ひと目でわかるように、Amazonのシャンプーカテゴリでは、有名メーカーよりも無名メーカーが上位を占めている。
いったいなぜ、このような現象が起きているのだろうか
ここでヒントとなるのが、消費者行動研究者のヘンリー・アサエルが提唱した消費者の購買行動を4つのパターンで分類したフレームワークだ。
横軸が表すのは、消費者がそのブランドを区別・判断できる力があるか、その違いを認知しているかを示す「ブランド認知」、縦軸が表すのは、消費者が商品をそもそも熱心に調べる気があるかを示した「商品関与度」だ。
アサエルは消費者を4つのタイプに分類できると提唱した(画像出典:YouTube「たなけんのEC大学」)
それぞれの型の特徴
たとえば、第三象限に位置する「習慣型」の消費者を見てみよう。
この「習慣型」の消費者とは、言葉どおり「前からこの商品を使っていたから」という理由で商品の特徴はそこまで詳しくなくとも、その商品をリピートする消費者のことだ。
一方、商品ごとのブランド差は感じるものの、商品に対してあまり調べようと思っていないのが第四象限に位置する「バラエティーシーキング型」の消費者だ。
たとえば、「この間LUXを買ったから、またLUXを買おう(でも、ブランドは自覚している)」と思うタイプはここに位置する。
対して、もっともブランドへの感度が高く、かつ自分でそのブランドごとの差異を調べて把握している第一象限の消費者を「情報処理型」の消費者と呼ぶ。
最後が、ブランドの差はそこまでわからないが、商品を選ぶうえである程度調べたいという人が第二象限に位置する「不協和解消型」の消費者だ。この「不協和解消型」という言葉にはAmazonで商品を売るうえで重要な意味があるのだが、それは後ほど説明する
実は、Amazonという市場において、第二象限の「不協和解消型」の消費者はかなり重要だ。
普段、Amazonでモノを買う消費者は、「ブランドごとの差異はわからないけど、買ううえで多少の情報は調べる」という認知的不協和解消型のタイプが多いからだ。
商品の検索の仕方で見えてくるある傾向
これを端的に示すデータがある。
以下は、われわれが独自で調べたAmazonの検索キーワードの頻度ランキング(Amazon内で検索されるキーワードランキング)だ。
見てのとおり、「シャンプー」が10〜20位、「シャンプー 詰め替え」が約500位、「シャンプー メンズ」が約1000位に位置している(下図参照)。
具体的な商品名よりも、「シャンプー」「シャンプー詰め替え」のキーワードのほうがAmazonでは検索されている(画像出典:YouTube「たなけんのEC大学」)
それに対し、メジャーな商品である「パンテーン」は、約1500位、「メリット」が4800位とぐっと下がる。
また、自分が抱えている髪の悩みにフォーカスを絞ったキーワードである「アミノ酸シャンプー」は約5000位、「ノンシリコンシャンプー」は3万5000位とかなり下位に位置している(このキーワードで検索するのは「情報処理型」の消費者だ)。
ここまでの説明でおわかりのとおり、Amazonではいつもと同じものを買う「習慣型」と、製品に対してのこだわりはあるものの、その場で見てよいと判断したものを購入する「不協和解消型」の消費者に二分されている。
そして、後者のボリュームが圧倒的に多いのである。
つまり、Amazonでシャンプーを検索し購入を検討する多くの人は、「これ!」と決めているブランドがなく、検索欄に「シャンプー」と打ち込み、そこで出てきた商品ラインナップの中から「よさそう!」と感情が動いたものをカートに入れているのだ
では、「よさそう!」と思うシャンプー(商品)とはなんだろうか。それは、検索時に上位表示され、かつレビュー数が多い商品のことである。
ナイルとオルナオーガニックの両メーカーはAmazonで検索上位に表示され、さらにレビューが多く点数も高い。よって、「検索上位に位置しているからよい商品に違いない」「レビュー数が多く、平均点が高いからよいに違いない」という“不協和解消型”の購買判断を消費者がしていると言えるのだ。
不協和解消型の心理
ここで「不協和」という言葉の意味を補足しておこう。不協和とは、正確には認知的不協和であり、人が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語のことだ。
人はこれを解消するために、認知や行動を変更すると考えられている。 有名な例として、イソップ物語の「キツネとすっぱい葡萄」の逸話が知られる。キツネが高い木に生る葡萄を採ることができなかった後に、狙っていた葡萄に対して、「あの葡萄はすっぱくて美味しくないに決まっている」と自己正当化した、という物語がある。
このように、消費者がその商品そのものを見て良し悪しを判断するだけでなく、「検索上位に位置しているからよい商品に違いない」「レビュー数が多く、平均点が高いからよいに違いない」という論理で商品を手にする場合が、この不協和解消型の購買である。
シャンプーのような商品は、購入して使うまでは商品ページの情報をよく読んでも、よほど専門的な薬品成分知識がない限り、商品の機能的な違いがわからないだろう。
また実際に使ってみたところでも、本当に髪や頭皮にいいのかなどは実感を得づらい。だからこそ、検索ランキングが高かったり、レビューが高評価であることが購買の決め手になるのだ
購買の決め手に欠けるとき、一般的に消費者はブランドイメージで情報を補って購入に至るケースが多い。
そういった意味では、Amazonで商品を取り扱っているメーカーにとっての「ブランディング」とは、Amazon内の検索で上位表示され、かつレビューが多い状態にほかならない。
大規模なCMを打つ予算がないメーカーの場合、まずはAmazon内でのブランディングを成功させることで、低予算で勝負できる可能性が高くなる。
そして、一度Amazonでベストセラーの地位を獲得できれば、実店舗の小売店のバイヤーに営業したり、他販路への展開もしやすくなる。
ここにジャンアントキリングの答えがある。
“なんとなくよさそう”はデザインされていた
こうして考えていくと、Amazonで売れる商品の共通点が浮かび上がってくる。前述したナイルやオルナオーガニックは、Amazon内での「よさそう!」と消費者に感じさせる“デザインのプロ”だということだ
実は、この2つのメーカーはある人気商品に雰囲気が似ていた。
ナイルはAmazonに出品した当初、THREE(スリー)というブランドに、オルナオーガニックは比較的高価格帯のヘアケアブランドで知られるジョンマスターオーガニックに見た目の印象が近いように筆者は感じた。
このように、新興ブランドが、先行している他社ブランドや認知を借りるテクニックのことを筆者は「ピクチャリング」と呼んでいる。ピクチャリングは、少ない資本で自社ブランドを効率的に認知する際に使われるアピール手法だ(なお、2022年10月現在、ナイルは商品デザインを一新している)。
以前のナイルのシャンプーボトル(画像出典:Youtube「たなけんのEC大学」
しかし、このピクチャリングとは、なにもデザインに限った話ではない。
「オルナオーガニック」の商品名に入った「オーガニック」という言葉は、同時期に売れたボタニカルシャンプーのBOTANISTというメーカーがはやらせた言葉だと筆者は考えている。
オルナオーガニックという商品名は、その“はやり言葉”が入っていることで、うまく認知されているようにも見える。
また、ナイルも商品ページを見ると「濃密泡スカルプシャンプー」とうたっているが、こちらもまた、アンファー社の「スカルプD」という人気キーワードが入っていた。
アンファーが広めたと思われる「スカルプ」という単語を使うことで、消費者にとって馴染みのある商品イメージを醸成しているのである。
“よさそう”から“よいに違いない”に
加えて、こうした“無名メーカー”の購入を後押しするのが圧倒的なレビューの数だ。
Amazonのナイル商品のスクリーンショット
ナイルは点数が4.4でレビュー数が8000以上、オルナオーガニックも点数が3.9で7000以上のレビューが書かれている(2022年10月1日現在)。
Amazonのオルナオーガニック商品のスクリーンショット
ここまでレビュー数が多く、評価が高ければ、「悪いシャンプーであるわけがない」という消費者の印象を醸成することができるだろう。
「なんとくなく、よさそう」というイメージの醸成から「よいに違いない」という判断へ。
両メーカーの動きを見ると、大手メーカーのように数億円をかけた大々的なTVCMを打たずとも、Amazonという特殊な市場では、戦略的にジャイアントキリングが起こせることがおわかりいただけるのではないだろうか。
(構成:鈴木俊之
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新興ブランドの高価格帯シャンプーが下克上のヘアケア市場、焦る花王の次の一手
12/10(土
高価格帯シャンプーのカテゴリを開拓したI-neの「ボタニスト」「YOLU」(左から2番目、3番目)など新興ブランドのシャンプーが人気だ(記者撮影)
「ボタニスト」
「アンドハニー」
「エイトザタラソ」……。
12月初旬、都内にあるドラッグストアのヘアケア売り場をのぞいてみると、目線の高さの目立つ棚には、新興メーカーのシャンプーがずらりと並んでいた。価格は1500円程度の高価格帯がほとんど。かつて一世を風靡した資生堂の「ツバキ」や、花王の主力製品である「メリット」は、端のほうに追いやられている。
【写真】迎え撃つ大手ブランドが投入したのは1000円程度のシャンプー
実は最近のヘアケア市場では、多数の新興ブランドが台頭し、大手のシェアを奪っている状況なのだ。
■「ボタニスト」を持つI-neが2位に浮上
代表例が、2020年に新規上場したI-ne(アイエヌイー)だ。
1500円程度の高価格帯シャンプー「ボタニスト」を軸にヘアケア市場で企業別シェア2位に躍り出た(2022年9月単月、I-ne調べ)。
「ボタニスト」はサロン向け製品を開発するヘアケア研究所と共同開発した商品で、約30万種の植物から厳選された成分が配合されている。
イギリスの調査会社であるユーロモニターの調査によると、
花王の主力製品の1つである「メリット」のシャンプー市場でのブランド別シェアは2019年の5.3%から2021年には4.7%へ低下、
対してI-neの「ボタニスト」は同期間で3.9%から5.0%に上昇し、
シェアは逆転している。
I-neがシェアを伸ばすことができた理由は2つ。
マーケティング力と商品開発力だ。
「ボタニスト」発売当初は、
「実績がなければ棚に置くことはできない」とドラッグストアでの展開は断られたという。実力の見えない新規ブランドを導入することは、ドラッグストアにとってリスクが高いためだ。
そこでI-neはECから攻めた。
I-neのマーケティング本部長である藤岡礼記氏は
「楽天の黎明期から付き合いがあり、楽天市場のランキングロジックなどは把握していた」と語る。独自のマーケティング手法を活かし「ボタニスト」で楽天市場のランキング上位を勝ち取った
商品の品質がリピートを呼び、次に展開したバラエティショップのプラザでも続けて大ヒット。
実績が積み上がり、ドラッグストアにも認められたという流れだ。
初めこそ配荷に慎重なドラッグストアだったが、
実際に高価格帯の「ボタニスト」が売れるとなれば話は変わってくる。
というのも、従来のシャンプー市場は500円程度の商品が主流で、小売店側には利益が出にくい構造だった。
それが「ボタニスト」の誕生によって一転、
シャンプーは利益率の高い商材に変化したわけだ。
こうした事情で「ボタニスト」のドラッグストアへの配荷は急激に拡大していった。
シャンプーの高価格化は年々進んでおり、
市場調査会社であるインテージによると、ドラッグストアなどでのシャンプーの平均単価は2017年から2021年の間に約11%上昇。
リピート率を表す詰め替え用を見ても、
「ボタニスト」を含む1L当たり2500円以上のカテゴリの売り上げ構成比は、
2021年時点で25%を超え、
4年間で約2倍に拡大している
(「ボタニスト」の価格はボタニスト公式ECサイト参照)。
もう1つの理由は、
ブランドコンセプトの設定やパッケージづくりといった商品開発力の強さだ。
レッドオーシャンのヘアケア市場で売り上げを伸ばすには、店頭での見え方も重要だ。
「ボタニスト」は透明な容器に手書きのロゴという他社製品よりもシンプルなパッケージを目指した。
ドラッグストアのヘアケアの棚で透明な容器は少なく、
売り場で目を引くように作られている。
I-neの藤岡氏は
「情緒面の価値などアートの部分も非常に意識している」と語る。
新規ブランド「YOLU」の成長もI-neの企業別シェアに大きく貢献した。
I-neが「第2のボタニスト」を目指して開発した「YOLU」は、
2021年の発売から約1年間で売上本数が1000万本に達し、
発売当初の「ボタニスト」を超える勢いをみせている
I-neは「YOLU」の商品開発にあたり、AIを利用した独自の需要予測などに基づき、今後流行する可能性の高いテーマを探った。残ったアイデアの中から、既存商品と被らないコンセプトを選び出し、「ナイトケア」という睡眠時の髪の補修をアピールする商品を完成させたというわけだ。
■続々と現れるコスメカンパニーの新興企業群
「ボタニスト」が1500円程度の高価格帯カテゴリを切り開いたことで、新興企業が続々と参入し始めている。
高価格帯シャンプーが店頭でも売れるとわかった今、
後発企業はI-neのように
ECから攻略する必要はなく、ドラッグストアへ直接アプローチが可能だ。
これらの新興企業はI-neと同様、
自社で工場を持たず、
商品の製造はOEM(受託生産を行う企業)に委託している。
これにより、新興企業は自社の強みである商品開発に特化することができる。
OEMが持つヘアケア関連の製造技術が充実しているため、新興企業でも高品質なシャンプーを販売できるのだという(業界関係者)。
中でも勢いがあるのは、
コスメカンパニー傘下の
ヴィークレア
と
ステラシードだ。
ヴィークレアの手掛ける「アンドハニー」シリーズは、
口コミサイト「アットコスメ」のシャンプーカテゴリで2年連続ナンバーワンを勝ち取った。2022年も上半期時点で同じく1位と、高評価が続く。
ヴィークレアの岸野洋之社長は、
「ハチミツのコンセプトにあった品質やパッケージにこだわりを持っている。商品の成分や容器などの原価は他社と比べて高いが、広告費率を下げることで実現している」と語る。現在約40人いる社員のうち、約半分の20人程度が商品の企画開発に携わっており、商品開発を重視した体制だ。 岸野社長は「お世話になっている小売店さんでの限定施策なども検討している。今後お見せできると思う」と、小売店との関係作りにも意欲的だ。「プレミアムヘアケアカテゴリーの牽引役となっていきたい」と意気込みを見せる
業界関係者によると、ヘアケア市場で拡大中のヘアオイル市場においては、この2年間ですでに「アンドハニー」が急激な成長を遂げ、トップシェアまで上り詰めたという(2022年10月取材時点)。
ステラシードの手掛ける「エイトザタラソ」も好調だ。
ステラシードの大島美香社長は、「弊社の強みは商品力で、スキンケア発想のシャンプーというコンセプトワークが刺さった」と語る。売れた理由については「商品のリピート率が非常に高く、顧客やドラッグストア間で口コミが広がり、配荷先の店舗が増加したというシンプルな流れだ」という。
■大手企業が反撃ののろしをあげた
「国内ヘアケア事業の構造改革、ここを立て直せないで花王の再興はない」
2022年8月に開催された花王の決算会見で長谷部佳宏社長は厳しげに語った。長谷部社長は「国内ヘアケア事業はシェアが高く利益も大きかった。待ったなしに改善しなければならない」と焦りを見せる一方、「今までやってこなかった手を打つ」と挽回策も示している。 押され気味のデジタルマーケティング施策については、「海外で戦っていた個性あるプレミアムブランドを日本に投入し、デジタルを活用した今までと違うやり方をお見せする」(長谷部社長)と述べる。自社ECサイトでの直販など、従来のTVCMを主軸としたマスマーケティングとは異なる戦い方で挑むようだ。
既存ブランドの改革も行う。低価格帯の「エッセンシャル」からは、1000円程度の新ライン「エッセンシャル ザ ビューティ」を2021年に発売した。髪のキメに着目したコンセプトを打ち出し、パッケージも大きく変更している。新興企業のインパクトのある商品群に店頭で勝てるかが焦点だ。 ユニリーバの「ラックス」やP&Gの「パンテーン」にシェアが押され始めた時代、花王は「エッセンシャル」ブランドの再構築を成功させることで息を吹き返した過去があるため、期待を寄せているという(花王のヘアケア事業担当者)。
資生堂が2006年に発売した「ツバキ」からは、1000円程度の新ライン「黒ツバキ」が2022年9月に発売された。「ダメージケアのコンセプトがこの価格帯で少なかった」(ファイントゥデイ資生堂)という背景から新シリーズを開発。マーケティング方法に関しても、従来主流であったTVCMに加え、発売前に実施したSNS企画が反響を呼び、初動は想定以上の滑り出しだという。 大手ブランドがシェアを奪い返せるか、意地の見せどころだ。
伊藤 退助 :東洋経済 記者
新興ブランドの高価格帯シャンプーが下克上のヘアケア市場、焦る花王の次の一手(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース