豊田章男社長、世界初公開された新型WRC2車両「GRヤリス ラリー2」について「ラリー競技が広がるために」開発

 

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写真:Impress Watch

 

 

 

 

 

 

■ トヨタが開発中の新型WRC2車両「GRヤリス ラリー2」を世界初公開

 

  11月12日、WRC最終戦ラリージャパンの岡崎SSでトヨタ自動車の新型ラリー車両である「GRヤリス ラリー2」がデモランを行なった。

 

これは、かねてからトヨタ自動車 代表取締役社長 豊田章男氏によって予告されていたもので、

 

WRCのレジェンドドライバーであるユハ・カンクネン氏が開発中のWRC2車両である「GRヤリス ラリー2」を、

 

トミ・マキネン氏がラリー・ベルギーでユハ・カンクネン氏と豊田章男社長がドライブした水素GRヤリスをデモした。

 

コドライバーはトヨタイムズの富川アナと森田アナ。

 

 

 

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 GRヤリス ラリー2は岡崎SSを2周し、走りを披露。多くの観客から水素GRヤリスとともに拍手が贈られた。このデモランには、豊田章男社長も登場。新型開発車両とともにフォトセッションを行なった。

 

 

 

 

 ■ 「WRC2をしっかり盛り上げる」と豊田章男社長 

 

 豊田章男社長にWRC2車両を新開発した背景を聞くと、

 

 

「WRCには1、2、3、4というクラス分けがある。1というのは基本ワークスなのです。ラリー競技が広がるためには2位以下のプライベーターが安全でしっかりとFIAのルールにのっとって使えるクルマが手に入ることが大事だと思うのです。

 

 

WRC2の車両はできましたが、ラリーの場合は、人が操るということを考えた場合、人との共同作業なのです。かつて勝田貴元選手がそうだったように、トヨタは育成プログラムの3人もいますが、彼らが乗っているのはトヨタのクルマではないのです。フォードに乗ってもらったりしています。WRC1に乗れる人数はやっぱり限られています。そういう意味では、まずWRC2をしっかり盛り上げる。参戦人数も多いし、ハードルも(WRC1に比べて)低いし、そういう進め方の第1歩になるという期待値です」とのこと。  

 

 

トヨタは2022年、世界最高峰のラリー選手権であるWRCの

 

ドライバーチャンピオン、

 

コドライバーチャンピオン、

 

マニュファクチャラーチャンピオン

 

と3つのチャンピオンを獲得し、完全制覇をなしとげている。

 

 

 

ただ、それは一握りのドライバー、チームによるものであり、その裾野を新開発のWRC2用のラリー2車両によって広げようとしている。

 

 

  とくにGRヤリスという国産車で発売されることで、

日本の人にとっては輸入車に比べて大きくハードルが下がるのは間違いない。価格、発売時期とも不明だが、プライベーターが購入できる車両が発売されることでモータースポーツの裾野が広がり、多くの才能ある人たちがラリーという分野に入ってくることが期待できる。  

 

 

オートバイの世界では、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキなどがレース用、モトクロス用競技車を市販しており、それらによって育った日本人ライダーが世界で活躍し、世界チャンピオンが生まれてきた。トヨタはそいういった世界を、新型車両を投入することで作り上げようとしている。

 

 

Car Watch,編集部:谷川 潔,Photo:高橋 学