「露軍死傷者、10万人を大幅に上回る」 米軍制服組トップ発言
毎日新聞 -
米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は9日、ロシアがウクライナに侵攻した2月24日以降、10万人を大幅に上回るロシア兵が死傷したとの見方を示した。ウクライナ軍も「同程度の死傷者が出ているだろう」と説明した。米紙ワシントン・ポストなどが報じた。
記者会見する米軍のミリー統合参謀本部議長=ブリュッセルで2022年10月12日、AP© 毎日新聞 提供
ミリー氏はニューヨークであったイベントの講演で明らかにした。「侵攻で4万人の民間人も死傷した」とも述べた。ロシア兵の死傷者数に関しては、カール国防次官(政策担当)が8月8日の記者会見で7万~8万人との見方を示していた。
また、ロシアが軍部隊にウクライナ南部ヘルソン州のドニエプル川西岸地域からの撤収を命じたことについて、ミリー氏は冬の間にロシアとウクライナの間で和平交渉の機会が生まれる可能性を指摘。「双方が完全な軍事的勝利はおそらく達成不可能であることを認識しなければならず、他の手段を検討しなければならない」と語った。
軍部隊の撤収には数週間かかる可能性があるといい、「ドニエプル川の南の防衛強化のために戦力を温存する目的かもしれない。現時点では(撤収の意図は)分からない」と述べた。その間に「和平交渉の機会がある。その機会をつかむべきだ」と言及した。
ポスト紙は、バイデン政権が非公式にウクライナ政権幹部に対して「ロシアとの交渉の窓は開かれている」とのシグナルを送るよう促しているとも報じている。
【ワシントン鈴木一生
「露軍死傷者、10万人を大幅に上回る」 米軍制服組トップ発言 (msn.com)