斜辺が56mある直角三角形のCLT格子架構、この木造大空間を設計した建築家たち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原田真宏氏、原田麻魚氏

(写真:山田 愼二)

(写真:山田 愼二)

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 ROOFLAG賃貸住宅未来展示場を設計

したのは、

 

マウントフジアーキテクツスタジオ(東京・渋谷)

 

を共同主宰する

 

原田真宏氏 と 原田麻魚氏です。

 

 

原田真宏氏はCLTの大架構を着想した背景について、「大判のCLTは剛性が高い大断面の梁として使える。部材の面内剛性が高いので、部材同士も剛に近い接合強度でつなげられ、大スパンの架構形成が可能になる」と説明します。

 

 

 大東建託の執行役員で設計統括部長を務める舘正文氏は、

「設計提案の模型を見たときは驚いた。CLTでこんな木造架構をつくれるのかと。日本で初めてとなる賃貸住宅専門の展示場をつくるという夢を持っていたので、挑戦しようと思った」と振り返ります。

 

 

 全国で賃貸住宅事業を手掛ける大東建託は早くからCLTに注目し、

研究開発を進めてきました。

 

19年9月には、独自のCLT工法による木造の賃貸住宅商品「フォルターブ」を発売しています。

 

 そうした取り組みの一環で建設したのが、賃貸住宅に特化した今回の展示場です。マウントフジアーキテクツスタジオに設計を依頼した際には、CLTを生かした施設をリクエストしています。出てきた提案内容は、大東建託の想像を大きく超えるものでした。

 

 

配置・1階平面図

配置・1階平面図

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 ROOFLAGはCLTの大架構に覆われたアトリウムと、鉄筋コンクリート(RC)造で地上4階建ての本体建物で構成します。アトリウムと建物の地上1、2階は主に賃貸住宅のオーナーを対象に、大東建託の取り組みや賃貸住宅を紹介するショールームにしています。大会議室がある3階や顧客とのミーティング室を配置した4階には大窓を設け、CLTの大架構を間近に見せています。

 

 

 CLTの架構は、3方向に走る部材を組み合わせて形成しています。基本となるのは、RC造の建物本体と平行・直角方向に延びる2軸。それらがつくる長方形の変形を抑えるため、対角線に斜材を通しました。斜材はファサードの軸にもなります。各方向の部材同士は全ての交点で金物が現れないように接合しています。

 

 

 施工の難易度は高く、組み合わせる順番を間違えると二度とはめ込めなくなる部材が生じるといいます。そのため、入念に組み立ての検討をしました。

 

 

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(写真:安川 千秋)

 

 

 

(写真:安川 千秋)

 

(写真:安川 千秋)

 

 

 

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