エッフェル塔はハイチから巻き上げた金銭で建てられた?
ハイチ独立後に巨額の二重債務を負わせ、旧奴隷から利益を搾取したフランスの「黒い秘密」
ハイチ北部のカパイシャンの様子 Photo: Federico Rios / The New York Times
ニューヨーク・タイムズ(米国)
Text by Eric Nagourney
カリブ海の島国ハイチは、旧宗主国であるフランスに、独立後に巨額の「賠償金」支払いを強制され、国としての発展のチャンスを逃した。フランスに富を根こそぎ搾取されたために破綻国家となったハイチの苦難の歴史を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が明らかにする
苦しみ続けるハイチ
破綻国家──暴力、悲劇、飢え、低開発。これらのキーワードは1世紀以上にわたってハイチにつきまとう。
地球上でもっとも貧しい国のひとつハイチの抱える苦しみは果てしない。しかし、それに対する同情は、同国の汚職や不始末などが目立つゆえに、薄れてしまう。
ハイチの人々は、1804年に残忍で悪名高いフランス人奴隷主を打倒し、独立を宣言した。奴隷の抵抗によって誕生した近代で初めての黒人国家として知られる。
しかし、その約20年後の1825年にフランスの軍艦が戻ってきたという事実については、ほとんど知られていない。フランス軍は、自らの血を流して自由を得た人々に対し、莫大な額の現金を払うか、戦争の準備をするかを選べと迫ったのだ。
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