モデルから転身。ボディビルの魅力

 

 , 

CONTRIBUTOR

京都市在住のフリーランスライター兼編集者

 

 

オーウェル創業者兼CEO オルガ・アクノヴァ 

 

 

 

 

17歳で来日し、ファッションモデルとしてパリコレなどでも活躍したオルガ・アクノヴァ。32歳での決断と、後年の起業、ボディビルの魅力について聞いた。
 


17歳から32歳までファッションモデルを続けてきた経験から、“美と健康の維持”を皆様にも提供できないかと考え、2020年に起業。多忙なビジネスパーソン、特に経営者の皆様を中心に、彼らのパーソナルトレーナーとして活動しております。

ロシアでは、16歳で中等普通教育を終えたあとは高校進学が一般的ですが、私はモデルの仕事を始めました。そんなとき、日本のモデル事務所にスカウトされたのです。日本という国については何も知らなかったけれど、まったく縁のない他国で働くということが興味深く、単身で来日しました。17歳のときです。両親は心配こそしていましたが、「あなたの決めたことなら」と送り出してくれました。

住んだのは事務所が所有するモデル専用の寮で、さまざまな国からモデルが来ていました。ロシア出身は私ひとり。でも寂しくはなかった。仕事がとても楽しかったからです。当時は雑誌やカタログのファッションページ、CMの仕事が多かった。バブルの残り香がまだあって、ギャランティが高く、かつ現場はどこも非常に厳しくて、さまざまなことを教わりました。32歳でロシアに戻って人生を考え直したとき、もう一度日本に戻る決心をしたのは、やはり日本人の働きぶりが自分に合っていたからです。私は“ワーカホリック”ですが、それは日本の皆さんからの影響なのです(笑)。

34歳からはボディビルを始めました。大会に出場するためには、運動の内容も食事も変えないとなりません。準備には最短で半年はかかります。私はそのころまだアルマーニの専属モデルだったのですが、1カ月で服が入らなくなりましたね(笑)。

現在は原宿のジムで一日7、8人のパーソナルトレーニングを週5日行っています。年齢は18〜70歳まで、男女比は半々です。私のトレーニングは厳しいとよく言われます。通う皆さんには必ず具体的なゴールがある。しかも経営者ともなれば非常に忙しい。大事なのは、自らのゴールにしっかりとフォーカスし、Keep movingすること。だから、トレーナーとして厳しく相対せねばならないのです。

あらためてそのように思ったきっかけがあります。2019年の「JBBFビキニフィットネス部門」で3位に入賞したのですが、翌年の同大会で5位になってしまったのです。「当日を楽しもう」と思ったのが敗因でした。ボディビルと経営は非常によく似ていて、楽しみがゴールでは成功しないのです。そこで今年はより厳しいトレーニングを重ね、「東京ボディビル選手権」という大会で5位に入賞しました。結果が出て、とてもうれしかったです。

私自身にもパーソナルトレーナーがいます。

ロシア在住のロシア人女性で、ボディビルの大会出場までのトレーニングメニューや食事、メンタルの強化をお願いしています。

 

 

彼女からは「一度の勝利は幸運にもたらされることがあるが、絶えず探求心をもってコツコツ積み重ねないと、本当の実力はついてこない」と教わりました。しかも、コーチというのはあくまでもサポーター。アスリート(私)のモチベーションは、私しかつくれず、目標や夢の実現はいつだって自らでしか成し得ないのです。

 

 

 

オルガ・アクノヴァのある1日


nullnull

▶︎サドゥボード
足裏の末梢神経を刺激する器具です。毎朝の瞑想タイムに15分ほどこのボードに乗ると、内臓が刺激されるうえ、自分のやりたいことがクリアになります。

null

▶︎健康管理
トレーニングだけでなく、リカバリーのための時間が大事なので、リラックスタイムを必ず確保する。

▶︎欠かさないこと
朝の瞑めい想そう、日々の自己トレーニング。

▶︎ブレンダー
サラダだけでは野菜の栄養分が足りないので、毎朝スムージーをつくって飲んでいます。メニューはほうれん草、セロリ、レモン、りんご、バナナ。10年以上の愛用品です。

null

<経歴>

16歳 中等普通教育を終え、モデルの仕事をスタート
17歳 日本のモデル事務所にスカウトされ、ファッションモデルを始める。雑誌『VOGUE JAPAN』『ELLE Japon』『Numero TOKYO』などの誌面を飾る
22歳 自ら応募し、パリ・コレクションやミラノ・コレクションなどのランウェイにも立つように
29歳 渡英し、ヨーロッパ各地でモデル業を続ける

32歳 ターニングポイント 
ファッションモデルの仕事は一生続けられるわけではないと思い、いったんロシアに帰国。新しいチャレンジをするには17歳から長く暮らした日本が最適だと考え、再来日を果たす。ファッションモデルを続けつつ、身体を鍛えてフィットネスモデルを目指すことに

37歳 オーウェルを創業し、ボディビルダー/パーソナルトレーナーとして活動を開始
34歳 本格的にボディビルを始め、毎年各種の大会に出場(JBBF、マッスルゲート東京/ゴールドジム ジャパンカップなどのファイナリストに)
 

オルガ・アクノヴァ◎1983年、現ロシア・エカテリンブルク州生まれ。17歳で来日し、ファッションモデルに。2020年、オーウェルを創業し、ボディビルダー/パーソナルトレーナーとして活動中

 

 

モデルから転身。ボディビルの魅力 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 

 

Forbs JAPAN