米、太平洋島しょ国との首脳会議を初開催へ 関係の強化狙う

 

毎日新聞

バイデン米大統領

 

 

 

 

 バイデン米政権は28~29日の日程で太平洋島しょ国との初の首脳会議を首都ワシントンで開く。南太平洋地域で影響力拡大を図る中国を念頭に、首脳会議を通じて島しょ国との関係を強化する考えだ。ロイター通信によると、ソロモン諸島やフィジー、キリバスなど12カ国が招待された。 

 

 

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 米国務省は首脳会議に先立ち、米国の支援策をまとめた文書を発表した。過去10年間で15億ドル(現在のレートで約2170億円)以上を地域に拠出してきたとし、気候変動や教育、公衆衛生分野での支援を列挙。島しょ国は「インド太平洋地域の重要な一部であり、我々の歴史と未来は密接不可分だ。地域の安全保障と繁栄に全力を注ぐ」とアピールしている。  特に安全保障面では、不審船などを監視する「海洋状況把握(MDA)」の協力を重視する姿勢を強調。国防総省が能力開発を支援するとともに、安全保障を強化する新たなアプローチを模索するとした。  島しょ国を巡っては、中国も関係強化に動いており、米中の新たな覇権争いの場となっている。  中国は2019年にソロモン諸島、キリバスと国交を樹立。今年4月にはソロモン諸島と安全保障協定を締結した。中国艦船の停泊や補給、ソロモン諸島による中国軍の派遣要請などが可能になる内容とみられており、中国の軍事拠点化のきっかけになるとみて米国やオーストラリアなどが警戒を強めている。8月には寄港しようとした米沿岸警備隊の巡視船をソロモン諸島政府が拒否する事態も起きている。  こうした動きに対抗し、米政府は6月、日本、英国、豪州、ニュージーランドと共に島しょ国との連携を強化する枠組み「ブルーパシフィック(青い太平洋)のパートナー」(PBP)を立ち上げた。7月中旬にはハリス米副大統領が、フィジーであった地域の協力機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」首脳会議にオンラインで参加し、地域支援で今後10年間にわたり毎年6000万ドルの拠出を議会に要請する方針を示している。  PBPは今月22日、国連総会に合わせてニューヨークで初の外相会合を開催。島しょ国の代表と共に、オブザーバーとしてフランスやドイツ、韓国、カナダ、インドも参加し、ドイツとカナダはPBPに加わる意向を表明。気候変動や災害対策、海洋資源保護、資源開発など六つの分野で協力を進めていくことで一致している。

 

【ワシントン鈴木一生

 

 

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