GoToでホテル50軒・100泊した27歳に聞く「何度も泊まりたいホテル」BEST3
コロナ禍で、休業や廃業に追い込まれるホテルが相次いでいる。東京商工リサーチが発表した2020年の宿泊業の倒産は前年比57.3%増の118件だった。
その一方で、Go Toトラベルや格安な料金での長期滞在型プランなどより、宿泊客が戻っているホテルもあり、なかにはホテルを“泊まる場所”ではなく、“暮らす場所”として、生活の一部に取り込む人もいる。
ホテル生活をお送る小林宥太さん(手元)
求人情報サービス大手・ディップ株式会社で働く会社員の小林宥太さん(27歳)はGo Toトラベルを機に2020年9月よりホテル暮らしをスタート。現在も継続しており、約50軒・100泊以上ホテルに宿泊している。
「今まで憧れていた都心のホテルにはほとんど泊まった」と話す小林さんに、ホテル暮らしの魅力と「また泊まりたい」と思う魅力的なホテルBEST3を聞いた。
きっかけは映画『鬼滅の刃』のレイトショー
小林さんはコロナ前、大学生時代からひとり暮らしを続けている横浜の自宅から六本木のオフィスまで通勤していた。しかし、コロナを機に会社はテレワークへ移行。自宅で仕事で過ごす日々が続いた。久しぶりに都内へ行くきっかけになったのは、映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開だった。
Go Toトラベル期間は情報をTwitterで発信
「映画館で『鬼滅の刃』を観ようと思ったら、どこも満員でした。唯一、都内のレイトショーに空席があったんです。でも終わる時間が終電を過ぎていて。だったらGo Toトラベルを使って、泊まりたかったホテルに宿泊してみようと思ったんですよね。
調べてみたら想像以上に安かったし、実際に泊まってみると自宅にいるより仕事もはかどりました。それから時々ホテルに泊まるようになり、昨年の12月には完全にホテル暮らしになりました」
予約サイトを活用しリーズナブルに
キャリーケースひとつで生活
ホテル暮らしをするうちにハックが身についた小林さんは、GoToトラベルが休止になったあとも複数のホテル予約サイトやフードデリバリーを活用し、快適に生活しているという。
「予約サイトによって、ホテルの選び方を変えています。たとえばGoToトラベル期間は大手サービスを使うと安く泊まれたけれど、今はクーポンの多い『Relux』という予約サイトをメインに使っています。『Ellcano(エルカノ)』というサイトも3泊以上を対象にしているので長期滞在したいときにはイチオシです。食事は基本的にデリバリーで、出前館とmenuを使っています。特にmenuは期間限定で、友達紹介をすると、友達に2000円、自分は合計で1万円オフになるクーポンがもらえます。デリバリーのクーポンのおかげで食費はかなり抑えられていますね」
仕事はテレワーク、食事はデリバリーのため、ほとんどの時間をホテルで過ごしている小林さんは「ホテル暮らしはコロナ対策にも向いている」と自説を話す。
「さらに毎日掃除やタオルの交換をしてもらえるなど衛生環境が整っています。気になることといえば運動不足くらいですかね。だから『今日ほとんど動いていないな』と思ったら気分転換にホテル周辺を散歩するようにしています
「また泊まりたい」と思うホテルBEST3
写真は「天然温泉 凌雲の湯 御宿 野乃 浅草」
「都心にある憧れていた高級ホテルはほぼ網羅したので、今はお気に入りのところをリピートしている」と話す小林さん。
そんな現在進行形でホテル暮らしをしている彼に、
「また泊まりたい」と思うお気に入りのホテルBEST3を教えてもらった。
■ 1位:天然温泉 凌雲の湯 御宿 野乃 浅草
「都心にいながら天然温泉が楽しめます。サウナがあるのも嬉しいですね。館内が畳式で裸足のまま歩くことができるため、家にいるような安心感もあります。21時から23時の間はハッピーアワーで、お酒を1缶プレゼントしてもらえるのも最高。場所は浅草寺の近くに位置しているため、ちょっとした浅草観光もぜひ」
■ 2位:静鉄ホテルプレジオ 東京田町
「2020年7月にオープンしたばかりなので、内装も外装もとてもきれい。都心のホテルは海外観光客のためユニットバスが多いけれど、ここはバスとトイレが別。しかも両方とも広々としています。入浴剤がもらえるのもお気に入りポイント。部屋には作業しやすいデスクがあるので、ビジネスマンの方におすすめです」
■ 3位:ホテル アマネク 銀座イースト
「銀座という好立地ながら、正規料金でも4000〜5000円とリーズナブルなのでヘビロテしています。高級ホテルに比べて狭いですが、その分、お風呂が広いので窮屈には感じません。作業スペースもきちんとあるので、仕事に集中できます」
■ 番外編:ホテル パセラの森
「2022年卒の就活生なら5000名限定で10回泊まれる神企画をしています(※キャンペーンは5月31日まで)。
オンライン面接があったり、地方から面接のために東京へ来たりする就活生は重宝しそう。僕は対象外ですが(笑)、気になったので先日泊まりに行きました。作業スペースがあるのはもちろん、ソフトドリンクとワイン飲み放題、デザート食べ放題、充実したアメニティと就活生でなくても満足できるホテルでした」
宿泊費は家賃の倍も「今の生活に満足」
「毎日清潔なタオルや寝具を提供してもらえるのがホテル暮らしの魅力」だと話す
今回挙げてもらったのは4店舗だが、小林さんいわく「おすすめできないNGホテルはほとんどなかった」とか。
「今まで泊まった都心のホテルで、おすすめできないところはほぼないですね。主要な予約サイトに載っているところはどれも優秀。写真と全然違う、ということもあまりなかったので、初めて行くこところでも躊躇なく予約できました。ただ、高級ホテルでも髭剃りや洗顔料、歯ブラシが合わないことはあるので、これらは持ち歩くと安心かもしれません」
とはいえ、当然、毎日の宿泊費が財布を直撃しそうなものだが、
小林さんの1か月の宿泊費は12万円程度。
横浜で一人暮らしをしていたアパート(6万円)よりは高いものの、
都心のちょっと高級マンションの家賃くらいと同等だという。
「コロナで急にテレワークになったけれど、自宅では仕事に集中できませんでした。
『このままだったらどうしよう』と気持ちも沈んでしまっていました。
固定費が高くなってしまいましたが、精神的にも肉体的にも今の方が安定しているので、この生活をしばらく続けたいと思っています。もう少し暖かくなったら、次は熱海のほうに泊まってみたいですね」
昨今では「都市型ワーケーション」といって、
都会の自宅以外の宿泊施設で仕事をするライフスタイルも注目を集めている。
いきなり1か月間ホテル生活をするのは大変かもしれないが、
まずは気になったホテルで、もちろん、コロナ感染には気をつけつつ、
自分なりの働き方を始めてみるのはありかもしれない。
<取材・文/橋本岬 写真提供/小林宥太>
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IT企業の広報兼フリーライター。元レースクイーン。よく書くテーマはキャリアや女性の働き方など。好きなお酒はレモンサワーで