史上最高の奪三振王も届かなかった大記録…大谷翔平が狙う「12・00」とは
7月13日のアストロズ戦で12個目の三振を奪った大谷(USAトゥデー)
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平の奪三振数が注目を集めている。現在188で、200の大台まであと「12」に迫っている。ただ実は大谷は、さらに難易度の高い記録を達成する可能性がある。それもまた、カギになる数字は「12」。先発投手としてフル回転し、かつ、打者を圧倒した証しとなる大記録だ。(デジタル編集部、記録は日本時間15日現在)
8月9日のアスレチックス戦で10勝目を挙げた大谷=武藤要撮影
その記録とは「奪三振率」のこと。投手が9回を投げた場合に奪える三振数を表す数字だ。大谷は現在、ちょうど「12・00」と極めて高い。奪三振数ランキングで、ア・リーグ4位、メジャー全体で8位と上位につけている大谷が規定投球回に達し、「12・00」を維持すれば、メジャートップに躍り出る。ちなみに現在のトップは、カルロス・ロドン(ジャイアンツ)の11・81。ア・リーグに限ればゲリット・コール(ヤンキース)の11・57。ハイレベルな争いだ。
大谷は今季、スプリットに加え、大きく曲がるスライダーや160キロを超える豪速球を武器に三振の山を築いてきた。6~7月には6試合連続2桁奪三振を記録。8月以降はペースが落ちたが、前回10日のアストロズ戦では5回7奪三振で「12」の大台を回復した。
「12・00」は歴史的に見ても超難関だ。大リーグの長い歴史の中で、規定投球回をクリアし、この大台に乗った投手は18人、のべ30人に過ぎない。
一人で6度も達成している身長2メートル8、「ビッグ・ユニット」こと
ランディ・ジョンソンのような「お化け」
も中にはいるが、シーズン200奪三振を4度クリアしている野茂英雄も、
歴代最多5714奪三振を誇るノーラン・ライアンも、一度も届かなかった。
大谷は、次回17日(日本時間18日)のマリナーズ戦で投げた後は、
登板間隔を中5日に戻すとみられている。
そうすると、登板機会はあと4試合。
6回8奪三振のペースで投げると、
規定投球回数の162を上回る165投球回に達し、
奪三振数は220に伸び、奪三振率はちょうど「12・00」となる
大谷は、奪三振についてこう言っていた。
「バットに当てさせないことが一番(ヒットの)可能性が出てこない」「奪三振(が多いこと)は強み」
シーズンの大詰めで、強みを遺憾なく発揮し、隠れた大記録を達成することができるか――。
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