全数把握をやめることで、死者を減らすことができるとみて良いのでしょうか?
山田医師:
時系列の前後関係を見ると、因果関係があるかのように見えてしまうかもしれませんが、
それらは全く「イコール」ではないという捉え方が大切で、
全数把握をやめたから死亡者が減った、
という因果関係は言及できないと思います。
日本での死者数増加の不安について、山田医師はこう話します。
山田医師:
現状では増えてきていますけども、
これはもう感染流行を押さえることでしか、
この数というのは減らしていけないので、
そこに注力する必要があります。
コロナの死亡リスク減少に関してCDCは、パンデミック初期に比べて重症化や入院など死亡リスクは大幅に減少したと指摘します。その背景には、ワクチン接種や治療薬が普及したことをあげ、これをもってして、8月11日、新たなガイドラインとして「ソーシャルディスタンス不要」という発表がなされました。
山田医師:
病気のリスク自体がワクチンの普及や治療薬の普及によって下がっている、という捉え方をした上での決定なのだろうなと思います。
「全数把握」をやめたことで、病院のひっ迫度はどうなっているのでしょうか?
山田医師:
特に検査をする場所や医療機関の負担、こういうところはかなり減ったと思います。これは全数把握というよりは、自宅で行う検査が国民全体に広がって、自分で検査をして陽性かどうかを判断するパターンが増えたので、そういったところで医療機関の負担は減ったかなと思います
日本の「死者数過去最多」減らす方策は?
山田医師:
日本国内では重症化リスクのある方に、重症化リスクを下げる治療薬というものがあるんですけども、
これを処方するプロセスが複雑で、
そのせいで十分に活用されていないという問題を現場から聞いています。
これをNYでは広く処方していて、大きく活躍してくれているので、もっともっと日本国内で活用ができるようプロセスを簡略化するなど、そういった対応というのは今後必要になると思います。
これから日本がアメリカに「学ぶべき点」とは?
山田医師:
今回の感染流行で、
重症化リスクがある方たちに十分治療薬を使えていなかった、
それはあると思うので、ここはアメリカから学べることと言いますか、
日本でも積極的にもっと治療薬を使える体制を作って頂きたいなと思います。
医療ひっ迫という観点では、例えば遠隔診療が広がらなかったなど、業務の効率化が十分にできていなかったという点があると思いますので、こういった所も、これからしっかり見直して、次の感染流行に備えていかなくてはいけないかなと思います。 (めざまし8「わかるまで解説」 8月25日放送)
めざまし8
【わかるまで解説】“全数把握なし”米英では何が?在米医師「日本は治療薬の処方プロセスが複雑」(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース