「エルメス」リメークのヘアゴム販売は違法 「かわいい」SNSで横行

 

 

「エルメス」リメークのヘアゴム販売は違法 「かわいい」SNSで横行(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 

 

◇警告後も販売、2容疑者逮捕

 

 

  兵庫県警は4日、

 

韓国籍で無職の文朱香(みか)(41)=同県芦屋市南宮町=

 

とアルバイトの藤木綾美(47)=京都市中京区壬生相合町=の両容疑者を

商標法違反(販売譲渡)の疑いで逮捕した。  逮捕容疑は、2021年5~12月、「HERMES」の文字や馬車のロゴを使用したヘアゴムなど7点を4人に計1万3360円で販売し、仏エルメス・アンテルナショナル社の商標権を侵害したとしている。  生活経済課によると、同社が19年に3回、商標権を侵害しているとして文容疑者に警告したが、販売を続けたため、21年11月に県警に通報していた。  ヘアゴムは、エルメス好きの文容疑者が購入した正規品のスカーフやネクタイを再利用したリメーク品だ。藤木容疑者が製造や発送を、文容疑者がインスタグラムで宣伝や販売を担った。切り取ったスカーフの生地でボタンを包んでヘアゴムにつけ、商品に仕立てていた。生地のロゴ部分を強調し、ロゴがない場合は、正規品購入時の包装用のリボンを付けていた。インスタグラムでは「京都の先生にお願いして作ってもらっています」などと商品を宣伝。調べに対し、文容疑者は「他の人もやっているので違法行為との認識はなかった」、藤木容疑者は「リメーク品が違反になるとは知らなかった」と容疑を否認しているという。  同課によると、スカーフ1枚(約6万円)から約160個のヘアゴムを作ることができた。材料費は1個約600円で、約2000円で販売していたという。両容疑者は19年7月から今年2月、ヘアゴムやクリップ、くるみボタンなど約1800点を販売し、売り上げは約1300万円にのぼるとみられる。  ◇SNSのDM、抜け穴か  リメーク品の販売は2000年代から増加傾向にある。偽造品排除に取り組む一般社団法人「ユニオン・デ・ファブリカン(UDF)」(東京都)によると、ブランド企業や捜査機関に加え、大手のフリマサイトや販売サイトはリメーク品への警戒を強めており、サイトに掲載しても削除されるという。堤隆幸事務局長は「インスタグラムやツイッターなどのSNSで宣伝し、ダイレクトメッセージ(DM)で直接やりとりして販売する手法が増加している」と説明する。  文容疑者も警告を受けた後は値段を示さず、「興味のある人は連絡を」とするにとどめて、インスタグラムのDMを中心に顧客とやり取りをしていた。  インスタグラムでは、両容疑者の違法なリメーク品を購入したとみられる人物が複数確認できた。「とってもかわいいヘアゴム」「スカーフを裁断してこんなにすてきな物を作ってしまうなんて」「お値段以上」「生産が追いついていないらしい」などと称賛の声が多く、商品の写真や着用時の写真も掲載されていた。  商標法は、ロゴや柄などの商標のあるブランド品をリメークした商品の販売を禁じているが、個人で使う購入者は罪に問われない。同課によると、購入者は「かわいいと思って深く考えずに買った」と話しており、違法商品との認識はなかったという。  UDFによると、21年にブランド企業がフリマサイトや販売サイトに削除を依頼した偽造品やリメーク品の件数は58万6942件にのぼる。堤事務局長は「商標はブランド品の品質を保証するもの。リメーク品の購入は自分の好きなブランドの市場を混乱させ、正規品の購入を困難にすることにつながるため、控えてほしい」と警告している。【村田愛

 

 

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