ロシア“飛び地”カリーニングラード、EU制裁で新たな火種に 市民 「ロシア全体をつぶそうとしている」
ウクライナ情勢に関連し新たな火種となっているのが、ロシアの領土で最も西側に位置するカリーニングラードです。NATO=北大西洋条約機構の加盟国に挟まれたこの地を巡り何が起きているのか。 バルト海に面したロシアの飛び地カリーニングラード。 岩手県ほどの広さで、周囲をNATO加盟国と新たに加盟申請したスウェーデンに囲まれています。 第2次大戦でソ連がナチスドイツを破り編入したため、市内中心部にはドイツ風の建物が目立ちますが、ウクライナでの軍事作戦を支持する「Z」のマークもありました。 市民 「ロシア全体をつぶそうとしている。プーチンが賢いからロシアを嫌っているんです」 今、ここで起きていることは… セメント工場経営 プレシコフ氏 「これがセメントを混ぜる施設です。今月に入ってから工場は止まったままです」 EU=ヨーロッパ連合の加盟国である隣国リトアニア経由で、EUの制裁対象の貨物を運び入れることが禁じられたのです。制裁で苦しんでいると訴えるセメント工場経営者は… セメント工場経営 プレシコフ氏 「誰もが影響を受けると思います。カリーニングラードへの輸送制限の影響を受けない家庭はないでしょう」 今のところ街中で目立った物不足はなく、市民生活は落ち着いてみえます。 それでもロシア側は今回の措置に「封鎖」だと猛反発。プーチン大統領の側近は、近く報復措置をとると警告しました。ロシア側がここまで強硬な理由は… 冬も海が凍らないカリーニングラードはバルト艦隊の母港。 2016年には核弾頭も搭載可能なミサイル「イスカンデル」が配備された軍事上の要衝で、ドイツのベルリンも射程に収めます。 日本時間の29日からNATO首脳会議が開催されます。 ロシア側の強い反発には、会議を前に欧米を揺さぶりたい思惑もあるとみられますが、市民は… 市民 「とても心配しています。カリーニングラードはポーランドやリトアニアと接し、彼らとの結びつきなくやっていくことはできません」 ヨーロッパとのつながりが深い場所ゆえ市民からは関係悪化を懸念する声も聞かれましたが、プーチン氏の耳に届くことはあるのでしょうか。
TBSテレビ
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