マツダ CX-60】軽量Bピラーを日本製鉄と共同開発…世界初採用

日本製鉄は、マツダと共同開発した軽量Bピラーが新型ラージSUV『CX-60』に世界初採用されたと発表した。
日本製鉄は、自動車車体の軽量化や安全性能向上を実現し、カーボンニュートラルの時代に向けた次世代鋼製自動車コンセプト「NSafe-AutoConcept(NSAC)」を進化させている。今回両社は、軽量Bピラーの実車適用を目指し、日本製鉄のNSAC技術を活用し、「直水冷ホットスタンプの実機設備化に向けての流体解析等による最適化」および「衝突解析、多機能衝突試験等による板厚最適化」による量産化に取り組んだ。
ホットスタンプは、熱間成形で高強度な部品を得る工法として、自動車の軽量化にて冷間プレス成形が難しい高強度領域に適しているが、冷却時間が長く生産性が低い課題がある。また、AL-HS(アルミめっきホットスタンプ)鋼板をTWB(テーラードウェルドブランク)技術で接合すると、溶接部へアルミニウムが混入しホットスタンプ後の継手強度が低下する課題や、異強度・異厚のTWBは、部品の品質精度ばらつき(焼入れ性や寸法精度)が生じる課題があり、TWB技術で接合したAL-HS鋼板の自動車車体への適用は困難だった。
今回、日本製鉄が独自開発したTWB接合技術は高い継手強度を実現しており、TWBレーザ接合技術の自動車車体への適用が可能となった。さらに本軽量Bピラーでは、TWBと部分パッチワーク技術の適用により、従来の一体型Bピラーからレインフォース部品の省略が可能となり34%軽量化、および衝突安全性の向上を実現させている。
また、今回採用した直水冷ホットスタンプ工法では、金型表面と鋼板の隙間に冷却水を流入し、鋼板を直接水で冷却するとともに、金型内の流体解析から冷却水の流速最適化を実施。これにより焼入れ性、寸法精度ばらつき等の品質安定化、部品製造時の生産性も向上(従来の4倍)し、製造時、走行時の温室効果ガス排出量が削減される。
日本製鉄では、NSAC技術の適用および適用範囲を拡大することで、自動車のより一層の軽量化、衝突安全性能向上、および温室効果ガス排出量の削減に貢献していく
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マツダ CX-60】最上級グレードが626万円のSUVを販売するマツダの「勝算」とは

マツダが6月24日から予約受注を開始する新型SUV『CX-60』は、その最上級グレードの価格が626万4500円で思い切った値付けと言っていいだろう。果たしてCX-60はユーザーに受け入れられるのか。
プラグインハイブリッド車(PHEV)とは言え、『CX-5』や『CX-8』の最上級グレードよりもそれぞれ210万円、140万円以上も高い。また、トヨタ自動車の人気SUV『ハリアー』と比べても120万円高く、同じPHEVである三菱自動車の『アウトランダー』と比べても90万円も高いのだ。

開発主査の和田宜之氏によると、直列4気筒ガソリンエンジンと大容量バッテリー、大型モーターの組み合わせによって、日常生活のほとんどをEV走行で賄え、ドライバーが加速したいとアクセルを踏むと、高回転まで伸びる力強さを感じることができる。人馬一体フィーリングをより緻密に進化させた全く新しいタイプのPHEVとのことだ。
実はCX-5などに乗っていたユーザーが「もっと大きい」「もっとパワーのある」「もっと高級感のある」クルマを求めて他社に乗り換えるケースが増えていたのだ。この流れをなんとか止めたいという思いがマツダにあった。
しかも、日本国内のSUV市場が近年、大きく伸びていて、特に400万円以上のクルマが2017年の6.7万台から21年には15.3万台と倍以上も増えているのだ。「マツダにもチャンスがあると思うので、高価格帯にチャレンジした」と国内営業本部の二宮誠二氏は話し、CX-60の購入者の半分がCX-5などのマツダ車からの乗り換えを想定している。

高価格帯モデルは見てすぐわかるように外観も差別化を図っており、フロントグリルのデザインや塗装などが異なっている。また、音にもこだわりを持ち、「静かなモーター走行はもちろん、ドライバーが加速したいという意図を持ってアクセルを踏むと、その意図とシンクロする音を届けている」と和田氏は話し、モーターとエンジンによるコラボレーションによるドラマチックな疾走感をつくり上げたそうだ。
マツダにとって、600万円を超えるクルマは未知の領域と言っていいが、高い安全性能と環境性能に加え、どんな道でも走る歓びを味わえるCX-60は十分輸入車SUVとも戦える商品と自負している。「マツダのブランド価値経営がこれからさらに新しいステージに入っていくことを具体的に示す商品だ」と和田氏は強調していた。
《山田清志
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