誤送金4630万円の“地方移住者”は氷山の一角?地元民も嘆く、カネ目当ての実態
地方創生の一環として近年活発な大都市から地方への移住。だが、人口を増やしたいがあまり、補助金を大盤振る舞いしている自治体も目立つ。誰彼構わず受け入れた結果、全国に「ヤバい移住者」たちが散らばり始めている――。
各地で問題連発!過疎地域の未来は?
今年5月、山口県阿武町から誤って振り込まれた4630万円の給付金の一部を振り替えたとして町内に住む田口翔容疑者(24歳)が逮捕された。 この事件は役所担当者のミスが発端であり、また受け取ったカネをオンラインカジノで使い込んだ田口容疑者個人の問題のようにも思えるが、地方自治体の内情を知る人の見方はやや異なる。 「このような住人を受け入れた自治体にも、一部責任があると思います。阿武町は田口容疑者を引き寄せてしまった」
「若い人が来れば何かが変わる」
こう話すのは、山口県周防大島町に住みながら全国の定住政策に取り組んでいるファイナンシャルプランナーの泉谷勝敏氏だ。 「阿武町は移住者に対し、手厚い補助金を打ち出している点が特徴です。そうすれば移住希望者は増えるとは思いますが、正直私は反対です。誰彼構わず受け入れていれば、いつか今回のような事故が起きかねない」 「過疎地には『若い人が来れば何かが変わる』と妄信している人が一定数いますが、町に対してプラスにならない人を受け入れるメリットはない。重要なのは数ではなく、どんな人を受け入れるのか?という点のはずです」
地方移住施策は誰のための政策か?
例えば、阿武町では手厚い補助金を出しており、田口容疑者は空き家バンク制度を利用して同町に移り住んできた人物だ。つまり、奨励金、就業支度金、家賃補助金など、複数の金銭的支援を受けていた可能性が高い。 「これは自治体側と移住者側のどちらにも言えますが、そもそも地方移住施策は誰のための政策かと言えば、言うまでもなく自治体と地元住民のためのもの。それを、移住者のためのものだと勘違いしている人が多いです」(泉谷氏) 移住者の多くは、その自治体の活性化を願い、土地に愛着を持って移り住む。しかし、なかには補助金目当てとしか思えない移住者がいるのも事実だ
田舎は都会で疲れた人間の受け入れ先ではない
移住者が起こしたトラブルについて取材を進めていると、その事例は枚挙にいとまがない。東海地方のとある役所で移住支援を担当する高畑和男さん(仮名)がその実態を語る。 「一部ではありますが、金銭的問題から都心に住めなくなり、地方に逃げてきたと思われる若者もいます。きっと人間関係に疲れているのでしょうが、集まりにまったく顔を出さないし、電話にも出ない。災害の復旧も一切手伝わない。田舎は都会で疲れた人間の受け入れ先ではないんです」 名前のとおり、地域の活性化を目的に移住してくる「地域おこし協力隊」にも、問題児がいる。山陽地方に住む地元住民が話す。 「表向きは町を活発にすると言いつつ、地元とは距離を置き、協力隊の人間だけで小さなコミュニティをつくっている。SNSにはキラキラした写真を日々アップしているみたいですが、何をしに来ているんでしょうか」
「あいつら平気でタバコをポイ捨てする」
地域おこし協力隊の人間による事件は定期的に起きている。基本的なマナーを守れない移住者もいると、北関東で農家を営む男性が話す。 「あいつら平気でタバコをポイ捨てする。こっそり大麻を育ててるって話も聞く。田舎ならなにしてもいいんだと思っとる。けしからん」 補助金目当ての移住者に地元愛など芽生えないということか。 <取材・文/藤中一平 SPA! 地方移住取材班 写真/GettyImages> 【泉谷勝敏】 2007年、山口県周防大島町へ移住。FPとして、同町で移住のアドバイスを行いながら、全国の定住施策も行っている
bizSPA!フレッシュ 編集部
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