凄い!

 

 

 

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銀歯を白くしたい 保険診療で可能になった白色のかぶせものとは

読売新聞(ヨミドクター)

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 虫歯になってしまい久しぶりに歯医者に行ったら、銀歯ではなく白色のかぶせもので治療をしてもらいました。白色のかぶせものは「CAD/CAM(キャドキャム)冠」と呼ばれるプラスチックだそうです。どんなものなのか、日本歯科医師会常務理事で、林歯科医院(大阪市)院長の林正純さんに話を聞きました。(聞き手 山口千尋) 

 

 

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強化プラスチックで自然な白色で審美性も◎ ほとんどの歯で公的医療保険の対象に

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――CAD/CAM冠とは、どのようなものでしょうか。

 

 

  CADとは、「Computer Aided Design」、つまりコンピューター支援による設計のことです。CAMは「Computer Aided Manufacturing」の略で、コンピューターによる製造という意味になります。歯の形のデータを基に、コンピューターで素材を削り、かぶせものを作ります。  使っているのは、「ハイブリッドレジン」というプラスチックを強化した素材です。自然な白色で、審美性にも優れています。  これまで、虫歯を公的医療保険の範囲で治療する際、ほとんどが銀歯での治療でした。2014年度から4、5番の歯の治療にCAD/CAM冠が保険で実施できるようになりました。17年度の途中から、7番の歯が上下左右残っている場合に限って下の6番の歯が認められ、20年度には上の6番も対象になりました。  また、20年度の途中からは、左の3番から右の3番までの上下の歯で保険診療が認められ、22年度からは、前歯以外の詰め物にも使えるようになり、現在ではほとんどの歯でCAD/CAM冠、つまり白色のかぶせものや詰め物での治療が可能になりました。  ただし、7番の歯については現時点では認められていないため、治療した場合は銀歯になります。

林正純院長

――昔、虫歯の治療で銀歯のかぶせものを作ってもらいましたが、笑った時にキラッと光って見えるのが気になっていました。  裏は金属で表に白色のプラスチックを貼り付けた「レジン前装金属冠」などは以前から保険が利きましたが、適用できる場所が限られています。白色の詰め物やかぶせものをするには、保険診療外のセラミックなどにする必要がありました。また、CAD/CAM冠も以前は保険診療外の治療でした

 

 

金属アレルギーへの対応、銀歯の原材料高騰で、需要増

――CAD/CAM冠の保険適用の範囲が広がったのはなぜですか?  銀歯は口の中に金属を入れるため、金属アレルギーの患者さんへの対応のほか、素材となるパラジウム合金の価格高騰などの影響もあり、歯科治療全体の流れとして、CAD/CAM冠の使用が推し進められたのではないでしょうか。 ――CAD/CAM冠による治療を実施している歯科はどうやって探せばよいのでしょうか。  この治療は、厚生労働省が施設基準を定めており、届け出をしている医療機関でしか保険診療はできません。届け出をしている医療機関は、厚生労働省厚生局のウェブサイト内にある「施設基準の届出状況」の一覧で調べられます。「歯CAD」の項目が記載されていれば、保険診療で治療を受けることができます。現在約8割の歯科医院で対応しているので、かかりつけの歯科医に尋ねてみるとよいでしょう。 ――すでに銀歯で治療している場合、付け替えることはできるのでしょうか?  単に見た目が悪いという理由だけでは保険で治療はできません。不具合があれば外して作り直す必要があるため、その際にCAD/CAM冠を選択することは可能です。

銀歯の価格はさらに高騰 どちらが安い?

「CAD/CAM冠 使われる場所によって強度や色合いが異なる」

――ロシアのウクライナ侵攻により、銀歯治療で用いる金属「パラジウム合金」について、厚生労働省は5月に公定価格を約8%引き上げることを決めました。銀歯の原料価格はさらに高騰しています。銀歯とCAD/CAM冠、どちらの方が安く治療を受けられますか。  治療費は技術料と材料費の合算で決まります。材料費は変動するので一概には言えませんが、CAD/CAM冠の技術料は銀歯より少し高いものの、材料費が高騰している現在では銀歯より安く治療できるかもしれません。

銀歯との違い デメリットは?

――見た目も良くて値段も安くなるならうれしいですね。ただ、これまでとは違う素材のため不安もあります。CAD/CAMにするデメリットやお手入れに違いはありますか?  金属は薄くてもほとんど割れることはありませんが、CAD/CAM冠はプラスチックのため、強い力が加わると割れてしまうことがあります。割れないようにある程度の厚みを持たせるため、歯を多めに削るので歯に負担がかかります。  また、金属でもプラスチックでもプラーク(歯垢)がたまりやすい場所は同じです。歯周病や虫歯を防ぐためには、歯磨きやデンタルフロスなどによる日々の口腔(こうくう)ケアが大切です。

はやし・まさずみ

歯学博士。日本歯科医師会社会保険担当常務理事。医療法人正宥会林歯科医院院長

 

 

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