露ズベルバンク、欧州市場から撤退発表 預金流出で

ロイター

 3月2日、ロシアの最大手行ズベルバンクは、欧州市場から撤退すると発表した。写真は同社のロゴ。ウィーンで2月28日撮影(2022年 ロイター/Leonhard Foeger)

 

 

 

[モスクワ 2日 ロイター]

 

 

 - ロシアの最大手行ズベルバンクは2日、ほぼ全ての欧州市場から撤退すると発表した。欧州子会社が大規模な預金流出に見舞われているほか、従業員や支店の安全が脅かされていることが理由とした。

 

 

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同行は、中央銀行の指示に従い、欧州子会社にこれ以上流動性を供給することはできないと表明。ただ、資本の水準と資産の質は十分で、全ての預金者に支払いを行えるとしている。 同行は声明で「現状を踏まえ、欧州市場からの撤退を決めた」と表明。「子会社が異常な資金流出に見舞われ、従業員と支店の安全が脅かされている」と述べた。 ロシアのウクライナ侵攻を受けて、欧米は経済制裁を強化しており、ロシアの一部の銀行は国際送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除された。 欧州中央銀行(ECB)は先月28日、ズベルバンク・ロシアの完全子会社「ズベルバンク・ヨーロッパ」、および同社のクロアチアとスロベニア部門が破綻しているか破綻しそうだと発表していた。 同行はオーストリア、クロアチア、ドイツ、ハンガリーなどで事業を展開している。2020年12月31日時点の欧州資産は130億ユーロ。 スロベニアの銀行NLBは、ズベルバンクのスロベニア子会社を買収することを明らかにした。 ズベルバンクのスイス事業は欧州市場撤退の影響を受けないという。 同行が発表した2021年決算は、純利益が前年比64%増の1兆2500億ルーブル(123億8000万ドル)と過去最高を記録。株主資本利益率(ROE)は24.2%、純金利収入は1兆8000億ルーブル。 モスクワ取引所は、資本流出を防ぐため、株式の取引を停止しているが、ロンドン市場のズベルバンクの預託証券の価値はゼロとなった

 

 

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