お正月もカップラーメンだけ」亡くなった鈴木医師 事件当日も訪問診療 患者家族が語る人柄    

FNNプライムオンライン

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埼玉・ふじみ野市で立てこもり事件を起こした渡辺宏容疑者。 めざまし8は、殺害された医師の診療を事件当日に母親が受けたという女性を独自取材。 訪問医療に心血を注いだという医師が、なぜ巻き込まれてしまったのでしょうか。

 

 

  【画像】渡辺容疑者は院内でわめきちらしたと話す東入間医師会会長

 

 

 

事件当日、母が訪問診療受ける…鈴木医師の“温かさ”

1月27日に家族が訪問診療を受けた女性: 本当にちょっとしたことに気を使ってくれて…母がたまに車椅子で外に出たりしているんですけど、その座っている姿勢を見て「今日はいい姿勢だね」とか、そういう声かけをしてくれてました。 まず、家に入ってくるときに「こんにちは!こんにちは!」みたいな感じで、楽しそうに入ってくるんですよね。名前を呼んで「元気そうだね!」って言って 1月27日に家族が訪問診療を受けた女性: 鈴木先生に会ったときに本当に温かいし、人間味を感じましたし、寄り添ってくれる先生っていう風に感じて、こういう先生が世の中に増えて欲しいなっていう気持ちですね。 私も医療人なので、こういう先生を目指したいと感じました こう語るのは、事件当日に母親が鈴木医師の訪問診療を受けていたという女性。 2018年から始まった、月に一度の往診。鈴木医師は多忙を極めていたといいます。 1月27日に家族が訪問診療を受けた女性: 大変だったと思います、すごく。 母には「お正月もカップラーメンしか食べてないよ」って言ってましたし (Q.最後に往診から帰るときに先生が言っていたことは?) 「じゃあまたね」と元気な声で… 「またね」と、鈴木医師と交わした約束。 しかし、同じ日に悲劇が起こりました。

「心臓マッサージしてほしい」死亡した母の蘇生断られ発砲か

近隣住民を震撼させた、埼玉の立てこもり事件。 1月28日送検された、渡辺宏容疑者(66)。 埼玉・ふじみ野市の自宅を訪れた医師の鈴木純一さん(44)の胸に散弾銃を発砲し、殺害した疑いがもたれています。突入した警察官に身柄を確保された際、玄関近くの和室で、ベッドと窓の間に身を隠していた渡辺容疑者。 ベッドの上には散弾銃が置いてあり、同じ部屋に鈴木さんが仰向けで倒れていたということです。死因は「心破裂」で即死でした。 さらに、新たに明らかになったのが事件の経緯。 事件前日の水曜日、自宅で鈴木さんが渡辺容疑者の母親の死亡を確認。 その後、渡辺容疑者は「線香をあげに来てほしい」と時間を指定し、鈴木さんやスタッフら7人を自宅に呼び出したといいます。 そして、翌日「まだ生き返るかもしれないので、心臓マッサージをしてほしい。蘇生措置をしてほしい」などと言って、死亡した母親への心臓マッサージを要求。 鈴木さんが蘇生できないことを説明すると、渡辺容疑者が発砲したというのです

 

 

 

病院内でわめき散らす」渡辺容疑者…抗議文も

数年前から鈴木さんのクリニックの訪問診療サービスを利用していた渡辺容疑者の母親。 しかし、栄養をチューブで送る「胃ろう」が在宅で受けられないことなどに不満を抱いた渡辺容疑者が、たびたび地元医師会に相談してきたといいます。 東入間医師会会長: 去年から(東入間医師会の)医療相談所に計15回の相談があった。母の食事が細くてどうにかしてくれと… お母さんと関わる医療行為で邪険にされると、その時点で感情の波が大きくなって爆発してしまう。病院内でわめき散らす さらに、別の病院でも母親の治療を巡り、こんなトラブルが。 埼玉県の医療関係者: お母さんを中心で医療をしてくれないと困ると言うことで、順番があるが、それを無視して「一番にしろ」と、「母親の担当医を病院長に」しろという。 (渡辺容疑者の)母親がリウマチにかかった時に、渡辺容疑者から「ステロイドの療法を使って下さい」って言われたが、担当医は「使うほど(の症状)ではない」と伝えた。 翌日、(渡辺容疑者から)長文の抗議文が届いた 警察の取り調べに対し渡辺容疑者は、「母が死んでしまい、この先いいことはないと思って、 自殺しようと思った時に、自分ひとりではなく先生やクリニックの人を殺そうと考えていた」と供述しています。 一方的に医療従事者への不満を募らせた末に起きたとみられる今回の事件。 地域の患者たちに情熱的に医療を届ける鈴木医師の死を防ぐことはできなかったのでしょうか。 (「めざまし8」 1月31日放送)

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