あっぱれ!
こういう意気込みが、うれしいです。
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フェラーリ「テスタロッサ」にロータリーエンジン搭載! RE雨宮のチューニングカーは「512BB/LM」に似ている!?
青木邦敏
フェラーリ「テスタロッサ」をRE雨宮がカスタム!
東京オートサロンの会場で謎のスーパーカーを発見。そのボディは往年のグループCカーを彷彿させるカウルを装着している。このクルマはいったい何なのだろうか。
実はこのレーシーなクルマを製作したのは、ロータリーショップとして有名な「RE雨宮」だった。東京オートサロンでは、チューニング・カスタムの顔役として我々に毎年のように夢のクルマを披露してくれるショップだ。
【画像】「テスタロッサ」の面影ないチューニングカーの全容を見る(8枚)
© VAGUE 提供 RE雨宮のブースにさり気なく展示されていたチューニングカーは、ベースがなんとフェラーリ「テスタロッサ」だった
●気がつく人にだけ分かる「チラ残し」
過去を振り返ると、“グレッティ”シリーズからはじまったRE雨宮のチューニングカスタムの歴史は、東京オートサロンと共にあった。
毎年のように新作を発表し、今年はどんな注目のマシンを見せてくれるのか? そんなワクワクした気持ちで東京オートサロンを楽しみにしていたクルマ好き、チューニング好きは少なくないなだろう。
RE雨宮代表の雨宮氏(通称:雨さん)は、チューニングとカスタムの無限の可能性を切り開く人物。自身がこだわるロータリーエンジンを使って、自分が思い描くクルマを生み出す。その発想力、技術力、そして実行力はマツダ本社も一目置くともいわれている。
そんなRE雨宮が、東京オートサロン2022で登場させたのが「IMS Ferrari and RE雨宮」の名を持つスーパーカーだった。ベース車は驚くことにフェラーリ「テスタロッサ」である。
まるでテスタロッサの面影はないが、唯一オリジナルとして残されている箇所を聞いてみた。「ほとんど作り変えているけれど、外装では分かる人には分かるかもしれない“ルーフ”と“ドア”、それに“内装”がオリジナルだね」という答えがかえってきた。
確かによく見ると、AピラーとBピラーのライン、さらにドアもそのままテスタロッサだ。実際にそのドアのガラスには、純正のフェラーリマークが入っていた。
それ以外はすべてリメイクされているので分からないが、逆にベース車両がわかってしまったらショーカー的要素のあるチューニングカーとしては面白くもなんともない。その点、IMS Ferrari and RE雨宮は、実際にオートサロンの会場で目にした人を驚かせたに違いない。
「テスタロッサ」にロータリーエンジンを搭載!?
それでは、フェラーリ・テスタロッサベースのカスタムカーの全貌について説明しよう。
まずフレームは鋼管スペースフレームをそのままに、レーシングシルエットの専用カウルを設計して装着。ボディワークは完全にモータースポーツ熱狂の時代に盛り上がったグループCカーを意識した仕上げとなっている。
そのため、テスタロッサをデザインしたピニンファリーナとの共通点を敢えて挙げるとすれば、ワイド&ローという点のみ。その他のアプローチはまったく異なるデザインになっている。
© VAGUE 提供 4ローターツインターボに装着しているタービンはTD06-25G×2で、最高出力は800psに達するという
ボディデザインの違いでいえば、とくにフロントのオーバーハングはショート化され、テスタロッサの面影はボディ寸法からも感じられない。さらに、テスタロッサのアイデンティティであるサイドのスリットデザインを廃止し、サイドインテークという形でデザインを一新した。
すべてのフォルムをスーパーカーではなくレーシングカーに近づけて設計し直す。究極のロードゴーイングモデルとして最終形態としてRE雨宮が示してみせたのがこのクルマなのだ。
●エンジンは4ローターツインターボ!
そして、RE雨宮が手掛けるマシンだけに、搭載するエンジンも普通ではない。純正のV型12気筒DOHCエンジンを外し、RE雨宮得意のロータリーエンジンである4ローターツインターボに換装。
装着しているタービンはTD06-25G×2で、ミッドシップレイアウトに伴ってインタークーラーはエンジン上部に水平マウントしている。そのため、ルーフにはエア導入のためにインテークを備えているのが特徴だ。ちなみに最高出力は800psに達するという。
パワートレイン系では、トランスミッションをスバル用の6速MTをセットして、デフとファイナルギアは純正をそのまま流用。ただし、強度不足を補うためにWPC処理を施している。
サスペンションについては、マウント位置共にストック状態からの変更はなく、アラゴスタ製の車高調にスウィフト製のスプリングを組み合わせた公道セットを組んでいる。
このRE雨宮が手掛けるテスタロッサベースのスーパースポーツカーは見た目だけのマシンではなく、ナンバーを取得し公道走行可能である点も特筆に値する。
これはRE雨宮が手がけるチューンドスポーツカーのすべてにいえる事だ。それは、「チューニングメーカーが作るクルマは、サーキット専用のレースマシンではなく公道を走れるクルマにこだわる。その前提で、自分が本当に乗りたいと思えるクルマ、スーパーカーを作り続ける」というRE雨宮の哲学に基づくものだ。
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今回紹介したREエンジン搭載テスタロッサもそうであったが、そもそもチューニングカー/カスタムカーには夢があるものだ。それがなくては面白くない。「メーカーが出来ないことでも、我々なら出来る」という信念のもと、夢あふれるクルマ作りを雨さんは我々にずっと見せてくれている。来年はどのようなチューニングカーを披露してくれるのか、楽しみである。
ちなみに、IMS Ferrari and RE雨宮のスタイルを見て、VAGUEでも紹介した197万3750ユーロ(邦貨換算約2億5900万円)で落札されたフェラーリ「512BB/LM」を連想した人は、相当のフェラリスタだ
フェラーリ「テスタロッサ」にロータリーエンジン搭載! RE雨宮のチューニングカーは「512BB/LM」に似ている!? (msn.com)