ISに参加の米出身女性、帰国認められず 米連邦最高裁が訴え却下
ISに参加の米出身女性、帰国認められず 米連邦最高裁が訴え却下
米連邦最高裁は12日、シリアで過激派組織イスラム国(IS)に参加したアメリカ出身の女性から出されていた、アメリカへの再入国を求める訴えを却下した。
ホダ・ムサナさん(27)はイエメンの外交官の娘としてアメリカで生まれた。アラバマ州で育ち、2014年にシリアに渡ってISに加わった。
米当局はこの時、ムサナさんは米国民ではないとして、パスポートを無効とした。 ムサナさんはその後、アメリカに戻る意向を示したが、連邦裁判所は入国を禁じた。これを受け、ムサナさんの父親のアフメド・アリ・ムサナさんが2019年に上訴した。 しかし連邦最高裁は12日、コメントを出すことなく、父親の訴えを却下した。
■「娘はアメリカ国民だ」 米連邦法では、アメリカで生まれた他国の外交官の子どもは、自動的には米市民権は与えられない。
ムサナさんの父親は裁判で、ムサナさんが生まれる前に外交官の地位を家族で放棄していたと主張。
ムサナさんはアメリカ国民だと訴えた。
また、米国務省がかつてムサナさんを同国民と認め、2004年にパスポートを発行していたと説明した。
ムサナさんをめぐる出来事は、イギリス出身のシャミマ・ベガムさんと比較されてきた。
ベガムさんは2015年、15歳の時にISに参加するためロンドンからシリアに渡航。
イギリスの市民権を剥奪(はくだつ)された。
ムサナさんは2019年に米CNNに出した声明で、シリアに向けてアメリカを発った時の自分について、「世間知らずで、怒っていて思い上がった若い女性」だったと説明した。 ムサナさんは、旅費を捻出するため大学を中退し、授業料でトルコ行きの航空券を購入したと、米メディアに語っている。家族には内緒にしていたという。
■1児の母親に ISに参加していた時期に撮影され、ソーシャルメディアに投稿された動画では、ムサナさんはテロ攻撃を称賛し、アメリカ人にISに加わるよう呼びかけていた。
米紙ニューヨーク・タイムズが入手したツイートでは、ムサナさんは、「ものすごくたくさんのオーストラリア人とイギリス人がここにいるのに、アメリカ人はどこにいるのか。臆病者たち、目を覚まして」と書いていた。
ムサナさんはその後、ISに参加したことを深く悔いているとし、ISを宣伝する投稿をしたことへの謝罪を表明した。
現在、幼い息子の母親となっている。
父親はISで知り合った男性だが、すでに死亡している。 ムサナさんが現在どこにいるのかは明らかにされていない。
(英語記事 Alabama IS bride loses appeal for return to US)
(c) BBC News
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