英国の中央銀行「BOE」利上げへ コロナ危機後の主要中銀で初
英国の中央銀行、イングランド銀行(左)などが集まる国際金融街シティー=ロンドンで2021年5月12日午後1時21分、横山三加子撮影
英国の中央銀行、イングランド銀行(BOE)は16日、政策金利を現在の0・1%から0・15%引き上げ、0・25%にすると発表した。新型コロナウイルス危機後に利上げに踏み切るのは、日米欧の主要中銀では初めて。これに先立ち、米連邦準備制度理事会(FRB)は15日公表した政策金利見通しで、2022年に「利上げ3回」のシナリオを示した。欧州中央銀行(ECB)も16日、量的緩和の縮小を決め、コロナ危機からの景気回復がもたらす急速なインフレ対策に先進国の中央銀行が本格的に乗り出した。 BOEの利上げは18年8月以来、3年4カ月ぶり。経済回復の過程で生じているエネルギー価格の高騰や人手不足、物流の混乱を背景に、英国の11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5・1%上昇。BOEが物価安定の目標とする2%を大きく上回っていることを重く見た。 FRBもインフレ抑制に向け、15日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げに先立って必要となる金融緩和の縮小を加速させる方針を決定。米国債などを大量購入して市場にお金を流す「量的緩和」の終了時期を従来の22年6月から3月に前倒しする。政策金利見通しでは、FOMCメンバー18人の過半数が「22年に3回以上の利上げ」を行い、「23年にさらに3回以上の利上げ」を実施すると予測。多くのメンバーがこれまでの想定より急ピッチの利上げが適切と判断した。 ECBは16日、新型コロナウイルス対応の量的緩和策として実施中の資産買い入れを予定通り22年3月で終了すると決めた。同時にコロナ禍以前から実施している資産買い入れ枠は22年4月以降に増額するが、買い入れ総額は現在の半分程度になり、金融緩和の縮小を進める方針だ。
【ロンドン横山三加子、ワシントン中井正裕
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