井上尚弥「ジャブ当たっているのに表情変えなくて…」タフネス挑戦者を8回ようやく倒す【ボクシング】
ボクシングのダブル世界戦が14日、東京・両国国技館で行われ、メインイベントのWBA・IBF統一バンタム級タイトル戦で世界2団体統一王者の井上尚弥(28)=大橋=が挑戦者アラン・ディパエン(30)=タイ=を8回2分34秒TKOで下した。初回から一方的に攻め続け、最後は驚異的な打たれ強さを見せる挑戦者を左連打でなぎ倒した。セミファイナルのWBOミニマム級タイトル戦は挑戦者の谷口将隆(27)=ワタナベ=が王者ウィルフレド・メンデス(25)=プエルトリコ=に11回1分8秒TKOで破り新王者となった。
◇ 井上尚弥の伸び上がるような左の連打。
タフさを見せてきた挑戦者が、こらえかねたように尻もちをついた。顔を血に染めながらも立ち上がり再開に応じたが、直後の左フックでぐらついたところでレフェリーがストップ。
8回に及ぶ一方的な攻撃ショーの末のKO劇だった。
「予想、期待、はるかに下回る試合をしてしまい申し訳ありません。挑戦者はタフで、用意してきたジャブが当たっているのに表情も変えなくて、俺はパンチがないんじゃないかと思ってしまうほどでした」と、
尚弥はリング上で苦笑いを浮かべた。
それほど戦前の評価は低く、圧勝が予想された相手だった。
だからこそ、今回の最大の敵はモチベーションだった。
2年間にわたって掲げる4団体統一は今回も実現せず。
それでも、ここ2試合はラスベガス・デビューや指名試合など節目となる要素があったが、今回は2年1カ月ぶりの国内試合というのみ。
しかも挑戦者はIBF5位、WBA10位で“格下”と見られていた。
海外ブックメーカーでは尚弥の勝利に1・02倍という驚異的なオッズがついた。
ただ、1990年、かつての統一世界ヘビー級王者・マイク・タイソン(米国)も、東京ドームで同じく約1・02倍の本命に推されながら世紀の番狂わせが…。
そして、ディパエンもそれを起こす潜在力を秘めた選手だった。
打たれても打たれても隙をうかがい突進。
番狂わせを狙い強打を振ってきた。
だが、尚弥は最後まで隙を見せない。
「途中で判定も頭をよぎりました。倒しきるまでの流れというか、テクニックで相手を出させて迎え撃つ、そういう駆け引きも必要だったのかなと思う」。
試合後の尚弥は反省も口にした。
タフな挑戦者もしっかり沈めたモンスターは、
来春に計画される世界3団体統一か
スーパーバンタム級での4階級制覇へと歩みを進める。
中日スポーツ
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