1) もちろん日本の企業の組織、

 

人への扱い、言葉、態度、表情など、

 

社風、

 

新入社員教育、、

 

民主主義からかけ離れた、人事部と社長、

 

は、大・大・大・問題ですが、

 

 

2) 同時に、子供の育て方、家庭でのしつけと、

 

現実社会を教え込んでこなかった、両親の、責任も、90%、です。

 

 

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一流銀行の新入社員、わずか半年で…退職は意志が弱いから? ストレス源は「親の反対」に

配信

読売新聞(ヨミドクター)

産業医・夏目誠の「ストレスとの付き合い方」

イラスト 赤田咲子

 「753」という言葉をご存じでしょうか? 子どもの成長祝いの行事を思い浮かべるのでは。その数字ではありません。新入社員が就職戦線を勝ち抜き入社します。ところが3年以内に高校卒で7割、短大卒で5割、大卒で3割が辞めていくことを表す数字です。近年、大卒で辞める人が増加しているようなので、「754」になるかもしれません。

早期の退職希望者に面談すると……

 精神科医で産業医もしていますと、上司や人事担当者から「新入社員が辞表を持ってきた。理由がよくわからない。メンタルの問題があるかもしれないので、相談に乗ってほしい」との依頼が、入社半年後くらいから出てきます。面談しますと、メンタルの問題ではなく、むしろ就職についての世代間の考え方の違いが見られるようです。そして精神科医の立場から気になるのは、退職を希望して面談した若者の3分の1ぐらいの方が、親や親戚の反対に強いストレスを感じていることです。

「銀行の仕事は合わない」と5か月で転職を希望

 野崎さん(仮名)は一流の銀行に就職しました。就活は商社と銀行、メーカーのいずれも大企業に絞って活動。2社目の銀行に内定が得られたので、入社を決めました。「就職人気トップ50に入る企業で安心」と両親も、わがことのように喜んでくれました。  入社し研修を終え、支店での法人営業からスタートです。半年間は先輩の担当企業に同伴し、仕事を覚えます。4か月後に彼は「何となく、営業は自分に合わない」と思ったそうです。それから1か月。「今の仕事は無理。お金のやり取りが性に合わない」と考え、モノづくりが実感できるメーカーに再就職しようと思い立ち、家族に告げました。

「まだ、会社のこと、わからないだろう」と父親

 信じられないという表情で父は「せっかく、一流の銀行に就職したのに。半年で辞めたいって。まだ、会社のことを十分にわかっていないだろう」と言います。母親も「『石の上にも三年』と言うでしょう。3年間働いて、それから判断したらどう」と反対しました。  彼は「意見はわかる。学生時代は会社の中身のことはわからなかった。就職して初めて、この仕事は自分に向いていないって実感できたんだ。最近、朝の寝起きも良くないし。会社へ行こうという意欲が萎えてしまって」と応じました。 父は納得できないようで、「まだ入りたてだろう。俺は中小企業で苦労してきたんだ。せっかく大手に入れたんだ。見切りを付けるのは早すぎないか」と繰り返します

 

 

 

 

 

 

 

入社して会社や仕事内容が分かった

 彼は「親父の言うこともわかる。悩んだよ。仲間も2割くらい辞めているよ。今は、 早い時期に決断して転職すれば『第二新卒』と言って、不利にならない形で再就職できるようになっているよ」と反論しました。  家では、このようなやりとりを2日間繰り返しました。それでも彼の気持ちは定まっているので、直属の課長に「退職の意向」を伝えました。上司も「まだ、入社半年だ。じっくり考えた方がよい」と言って、メンタルヘルスを心配して私への相談を勧めたのでした。

親の反対がストレスに

 彼は、私に対しても、「辞めたい、第二新卒でチャンスがあるから」と訴えます。そして「両親には強く反対されました。気持ちを説明しても、わかってくれません。母は親戚や友だちにもうれしそうに就職を報告していたので、ショックを受けています」と、親の反対が気になって悩んでいる様子がうかがわれます。  さらに「先生、働くのは僕なんですよ。ちゃんと考えたことなんだから、反対しないで、応援してほしいですよ」と、時に怒りも見せました。上司が心配したような気になるメンタル不調は見られませんでしたが、親の反対はつらいようでした。そこで、「自立した大人なんだから、『自分の決断を尊重してほしい』」ともう一度、両親に話をしてみたらどうか、とアドバイスしました。

親は「意志が弱いのではないか」と心配

 彼は理解を得るべく、再び話し合いました。そこで彼が理解したのは、息子が一流銀行に入ったことに親がプライドを感じていること、そして、すぐに辞めてしまうのは彼の意志が弱いのではないか、と心配していることでした。  私は彼に言いました。「親の指摘はもっとも。退職希望は意志の弱さではないと示すためにも、今までの就職活動や入社後の自分を振り返り、向き合うこと。そうして新しい会社を探す時に重要なポイントを考えては」。転職のエージェントからも振り返りが必要と言われていたそうです。

仕事内容を十分に考えずに就職先決定

 振り返ると、就活はバタバタの連続で、狙いを定めた企業でいち早く内定が出た銀行に決めてしまったということです。どんな仕事をするのか、という具体的なイメージまでは十分に持っていなかったそうです。改めて企業の業務内容をよく調べて考えると、やはりモノを扱っているメーカーで働きたいという気持ちがはっきりしました。  親には事後報告で、会社に辞表提出。納得できない両親には「心配してくれるのはありがたい。でもね、働くのは僕だよ。カウンセリングも受けて、もう一度よく考えてみた。今後を見守ってほしい」と伝えました

 

 

 

 

 

 

 

 

中には社会人生活になじめない人もいるが……

 転職エージェントから紹介された4社にチャレンジし、メーカーに再就職が決まりました。前職の銀行ほど名前は通っていませんが、彼は元気に働いています。その姿に接して、親も少しずつ受け入れていきました。  早々に退社を希望する新入社員の面談をしていると、中には学生時代の気分が抜けず、社会人生活に不適応を起こしている若手もいますが、野崎さんのように「入ってみたら違っていた」という人とも出会います。就活や転職活動は専門外ですが、親の時代とは違って、転職の仲介サービスもよく機能しているように見えます。親の意向も尊重したい“良い子”だからこそ、野崎さんのような葛藤が生まれます。自分のやりたいこと、自分の性格などをよく見極めた上で、就職先を決めてほしいと願っています。

夏目誠(なつめ・まこと)

 精神科医、大阪樟蔭女子大名誉教授。長年にわたって企業の産業医として従業員の健康相談や復職支援に取り組み、メンタルヘルスの向上に取り組んでいる。日本産業ストレス学会元理事長。著書に「中高年に効く! メンタル防衛術」「『診断書』を読み解く力をつけろ」「『スマイル仮面』症候群」など。新著は企業の人事や産業医向けの「職場不適応のサイン」、ウェブ書籍「メンタル・キーワード療法~5分でできる簡易セラピー