第165回「芥川賞」に石沢麻依氏と李琴峰氏 「直木賞」に佐藤究氏と澤田瞳子氏

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(左から)石沢麻依氏、李琴峰氏(撮影:大坪尚人)、佐藤究氏(撮影:山口宏之)、澤田瞳子氏

 

 

 

 

 

 日本文学振興会は14日、『第165回芥川龍之介賞・直木三十五賞』の選考会を東京・築地「新喜楽」で開き、

 

芥川賞」は、

 

石沢麻依氏(41)の『貝に続く場所にて』、

 

李琴峰氏(31)の『彼岸花が咲く島』が選出。

 

 

直木賞」は、

 

佐藤究氏(44)の『テスカトリポカ』、

 

澤田瞳子氏(43)『星落ちて、なお』に決まった。

 

 

  【写真】第165回芥川・直木賞候補者一覧 

 

 

 

 『貝に続く場所にて』は、ドイツの学術都市で暮らす主人公のもとに、東日本大震災で行方不明になったはずの友人が突然現れることで物語は展開していく。時間や距離などが重なり合うことで、登場人物がそれぞれ失ったものを取り戻す様を描いた作品。作者の石沢氏は、初めてのノミネートでの受賞となった。  『彼岸花が咲く島』は、記憶をなくした少女が主人公。流れ着いた島では男女が違う言葉を学び、女語を習得した女性があらゆる儀式を執り行い、島を管理するといった物語。李氏は、2回目のノミネートでの受賞となった。  『テスカトリポカ』は、メキシコの麻薬組織を支配していた男が、日本人の臓器ブローカーと出会い、新たなビジネスを始める。物語では、2人の犯罪に巻き込まれる少年や滅亡した古代文明が裏社会とつながる様子が描かれる。佐藤氏は、初めてのノミネートで受賞となった。  『星落ちて、なお』は、明治時代を舞台に天才浮世絵師であった父が亡くなったことをきっかけに、娘である主人公が父の影に翻弄されながらも兄弟との争いの中で懸命に生きる姿を描いた歴史小説。澤田氏は5回目のノミネートで受賞となった。  両賞は1935(昭和10)年に制定。芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られる。前者は主に無名・新進作家、後者は無名・新進・中堅作家が対象となる。

 

 

 

 ■第165回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)※作者五十音順・敬称略 石沢麻横依『貝に続く場所にて』(群像六月号) くどうれいん『氷柱の声』(群像四月号) 高瀬隼子『水たまりで息をする』(すばる三月号) 千葉雅也『オーバーヒート』(新潮六月号) 李琴峰氏『彼岸花が咲く島』(文學界三月号)

 

 

 ■第165回直木三十五賞 候補作(出版社) 一穂ミチ『スモールワールズ』(講談社) 呉勝浩『おれたちの歌をうたえ』(文藝春秋) 佐藤究『テスカトリポカ』(KADOKAWA) 澤田瞳子『星落ちて、なお』(文藝春秋) 砂原浩太朗『高瀬庄左衛門御留書』(講談社) 

 

 

■選考委員 【芥川賞】小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、平野啓一郎、堀江敏幸、松浦寿輝、山田詠美、吉田修一 【直木賞】浅田次郎、伊集院静、角田光代、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、三浦しをん、宮部みゆき

 

 

 

 

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李 琴峰さん、すごいですね!

 

頑張りました。おめでとうございます!

 

台湾籍の日本の小説家・日中翻訳者である。

 

母語は中国語であるが

 

日本語で作家活動を行っている

 

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1989年台湾生まれ、15歳から日本語を習い始め、同じころから中国語で小説創作を試みた[2]

台湾大学卒業後、2013年来日、早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程入学、のち修了。

2017年、初めて日本語で書いた小説「独舞」(のち『独り舞』に改題)で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞し、作家デビュー。同作は、通勤電車の中で浮かび上がった「死ぬ」という一語が創作のきっかけだったという[3]。『独り舞』台湾版は自訳で刊行(2019年、聯合文學出版社)。

2019年、「五つ数えれば三日月が」で第161回芥川龍之介賞候補。同作は後に単行本化し、第41回野間文芸新人賞候補となる。2021年、「ポラリスが降り注ぐ夜」で芸術選奨新人賞を受賞。同年、「彼岸花が咲く島」で第34回三島由紀夫賞候補、第165回芥川龍之介賞受賞。

文芸誌のほか、「ニッポンドットコム」や「太報」「幼獅文藝」など、日本と台湾のメディアにてコラム等を執筆している。

訳書は自著以外に、東山彰良『越境』がある。

著作[編集]

  • 『独り舞』(「独舞」より改題、2018年、講談社
  • 『五つ数えれば三日月が』(2019年、文藝春秋)
    • 五つ数えれば三日月が(『文學界』2019年6月号)
    • セイナイト(『群像』2019年4月号)
  • 『ポラリスが降り注ぐ夜』(2020年、筑摩書房)
  • 『星月夜(ほしつきよる)』(2020年、集英社)
  • 『彼岸花が咲く島』(2021年、文藝春秋)

単行本未収録作品(小説)[編集]

  • 「流光」(『群像』2017年11月号)
  • 「ディアスポラ・オブ・アジア」(『三田文學』2017年秋号)
  • 「地の果て、砂の祈り」(『すばる』2020年12月号)
  • 「湖底の炎」(『S-Fマガジン』2021年2月号、櫻木みわと共作)

随筆・書評等[編集]

  • 「透明な膜を隔てながら」(『すばる』2017年9月号)
  • 「ある夢」(『文學界』2018年8月号)
  • 「記憶と共存するための本」(webちくま、胡淑雯『太陽の血は黒い』書評)
  • 「私がたどり着いた「真ん中」の風景」(ハフポスト日本版)
  • 「自転車は時間の魔術」(『文學界』2019年2月号、呉明益『自転車泥棒』書評)
  • 「日本語籍を取得した日」(ニッポンドットコム)
  • 「虹がはためくのはいつか——日本と台湾のLGBT問題を考える」(ニッポンドットコム)
  • 「どうすれば作家デビューできるの?——日本と台湾で異なる文壇事情」(ニッポンドットコム)
  • 「日本人は銃剣で子どもを殺していたのよ——「親日」と「反日」の狭間で」(ニッポンドットコム)
  • 「帰郷で重なる記憶と歴史」(『読売新聞』、リービ英雄『模範郷』書評)
  • 「独立した二台の機械のように」(『三田文學』2019年秋季号)
  • 「いとしき日本、悲しき差別――属性で規定されない世界を夢想して」(ニッポンドットコム)
  • 「文学の暴力、楽園が地獄に」(共同通信、林奕含『房思琪の初恋の楽園』書評)
  • 「レズビアン小説を書くならエロスが必要か問題」(『OVER』Vol.02)
  • 「島々の悲歌——沖縄、琉球と台湾」(ニッポンドットコム)
  • 「同性婚に至るまで――台湾同志文学に見るLGBTの軌跡」(『東方』2020年2月号)
  • 「新宿二丁目の煌めき①新宿二丁目はどんな色をしているか」(『ちくま』2020年2月号)
  • 「新宿二丁目の煌めき②新宿二丁目はどんな顔をしているか」(『ちくま』2020年3月号)
  • 「新宿二丁目の煌めき③新宿二丁目にどんな過去があるか」(『ちくま』2020年4月号)
  • 「だから私はタピオカミルクティーさよならしなければならない」(『跨境:日本語文学研究』第9号)
  • 「「外国人が描いたLGBT小説」とは一体何か」(ハフポスト日本版)
  • 「台湾のコロナ対策を賞賛する、日本の人たちに知ってほしいこと」(現代ビジネス)
  • 「あなたが私を外人と呼ばわる前に」(ニッポンドットコム)
  • 「のけ者たちの風景」(『文學界』2020年6月号)
  • 「芽吹くことなく死んでいく恋の種」(『海響一号 大恋愛』)
  • 「創作の源泉としての中二病」(ニッポンドットコム)
  • 「宇宙の神秘に迫る壮大な叙事詩――『三体』シリーズ」(『文學界』2020年10月号、劉慈欣『三体』シリーズ書評)
  • 「夏と花火と時間のかけら」(ニッポンドットコム)
  • 「終わりなき越境の旅」(ホーム社)
  • 「幼子の厄災――広島原爆関連施設を見学して」(ニッポンドットコム)
  • 「始まりの場所――下関紀行」(ニッポンドットコム)
  • 「男女のまなざしを逆転」(共同通信、李昂『眠れる美男』書評)
  • 「ミーハー的百人一首の旅:ゆかりの地を巡る」(ニッポンドットコム)
  • 「最後の海外旅行」(『小説トリッパ―』2021年春号)
  • 「精一杯の秘境・祖谷——初めての四国・その一」(ニッポンドットコム)

随筆・書評等[編集]

  • 東山彰良『越境(ユエジン)』台湾、尖端出版、2020