自由、平等、公平、公正、偏見、差別、民主主義、表現、などなどの、

 

 

もとに、『悪い連中が、のさばってきた、アメリカという国』

 

 

私が、詳しく書きますと、上記の項目に、引っかかりますので、

 

かきませんが、

 

そのように、そういうことが書けない、いえない、国になっていくのが、

 

アメリカそのものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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万引き多発、店舗閉鎖続出で岐路に立つ「バイデンの人権擁護政策」

配信

 

現代ビジネス

犯罪者の人権への配慮

by Gettyimages

 

 

 

 「軽罪の容疑者に対し実名報道しない」―米大手通信会社AP通信が6月17日、こう発表した。インターネット上で個人名と罪状が半永久的に残る事情から、容疑者の生活や雇用への影響を配慮した上での、決断である。 

 

 

 

【写真】ブティジェッジ運輸長官が驚愕発言「米国の高速道路は人種差別的」  

 

 

最優先4分野のひとつに「人権」を掲げるバイデン政権の政策に則った判断と言えよう。ツイッターなどの反応をみると、AP通信の英断を歓迎する意見が大勢を占めていた。その陰で、「軽罪を報じる必要があるのか」と問う声も聞かれた。   そもそも米国で、軽罪とは何だろうか? 米国では犯罪のレベルが重度によって、1.微罪(Infractions)、2.軽罪(Misdemeanors)、3.重罪(Felonies)――の3つに分類される。微罪とは、警告、罰金、あるいは3ヵ月以下の懲役などが科される犯罪が該当する。ポイ捨てや公共の場での飲酒、信号を設置していない場所での道路横断といった迷惑行為などが挙げられる。  軽罪とは、罰金、あるいは1年以下の懲役などが科される犯罪を指す。器物破損や不法侵入、暴行(ケンカなど)、万引きやスリ、軽窃盗など他人の身体や資産などに被害を及ぼす不法行為を指す。また、個人使用目的の麻薬所持のほか、売春、公共での泥酔などもここに含まれる。ただし、軽罪の中でも被害額や回数、組織的な否かなどにより、重罪として取り扱われる場合もある。  重罪とは、1年以上の懲役や禁固刑に処される犯罪だ。殺人を始め過失致死、放火、強盗、誘拐などの凶悪犯罪のほか、暴行や家庭内暴力、酒酔いあるいは麻薬使用時の運転、麻薬絡みの犯罪などが該当する。  こうしてみれば、微罪か軽罪であれば、逮捕後に不起訴や無罪となる場合に備え、ネットのさらし者となりうる報道は回避されるべきと判断されよう。AP通信の決定が喝采をもって迎えられたのも、頷ける。

万引きが企業経済に深刻な打撃

写真:現代ビジネス

 

 

 

 

 その傍らで軽罪に含まれる、ある犯罪の増加が企業にも大打撃を与え、深刻な社会問題と化している。それは、万引きだ。  カリフォルニア州では2014年11月に実施された住民投票「修正案47(Proposition 47、Prop-47)」の可決により、被害額が950ドル以下の場合は、軽罪に分類されるようになった。  同法が施行された効果はすぐに現れ、2016年のロサンゼルス市警での万引き報告件数は前年比で25%も増加。その後も増加の一途をたどったが、万引きが軽罪として扱われるようになってから、警察や小売業者が万引きを取り締まらなくなったことが一因とされる。最近では、サンフランシスコにあるウォルグリーンで、警備員の目の前で万引きする男性の姿を捉えた動画がCNNなどでも報じられ、話題となったものだ。  検挙件数の増加は警察の手柄になると思われがちだが、軽罪であれば人員が限られるなかで、警察も本腰を入れて対応しづらい。また、万引き件数の増加に合わせ、逮捕者を留置場に次々に送り込めば、彼らだけで満員になってしまう恐れがある。  何より、万引きの現行犯を確保した小売業者側が訴えられるケースが増加し、取り締まりそのものが及び腰とならざるを得ない事情がある。  例えば、2018年4月にはカリフォルニア州サンノゼで、小売大手ウォルマート、百貨手大手ブルーミングデール、服飾ブランドのアバクロンビー・アンド・フィッチなどが集団訴訟に直面した。警備員が万引きした者を店内で確保した際、警察に突き出す引き換えに教育関連企業が提供するオンラインでの更生プログラムの受講と、その支払いに500ドルを求めたためだ。  原告側は、更生プログラムを提供する企業に対し「長きにわたる『強要』プログラムを通じ、絶望した貧者から何百万ドルもの利益を貪っている」と訴えていた。原告団のうち、留め金を万引きしたテキサス州在住の男性は、更生プログラムの支払いができず、取り立てに遭ったという。  全米25州で更生プログラムを提供する教育関連企業で、小売業者と共に訴訟の対象となったコレクティブ・エデュケーション・カンパニー(CEC)は「2016年に、小売業者の万引き被害額は、170億ドルに及んだ」とするなど、更生プログラムの正当性を主張してきた。  しかし、2014年11月にカリフォルニア州で修正案47が可決された直後、サンフランシスコ市法務官が2015年11月に「カリフォルニア州法の下での教科書を使った強要」を行ったとして同社を提訴。結果、同州の上位裁判所は「強要行為」と認める判断を下した。この判断に基づき、2018年4月の集団訴訟に至ったとみられる。  また、インディアナ州司法長官も集団訴訟と時を同じくして、CECが提供する更生プログラムに対し「潜在的に多くの法律や倫理規定に反している可能性がある」との見解を表明。サンノゼでの集団訴訟の正当性を補強したに違いない。  

 

 

■上位裁判所から「強要行為」の判断を勝ち取ったサンフランシスコ市法務官の声明

 

取り締まりは人種差別助長か

 小売業者が取り締まりの網を弛めた理由は、もう1つある。店内で、万引きの疑いのある人物の特定、聴取などの行為が人種差別につながるとして、訴訟リスクをはらむようになったためだ。  大手百貨店メイシーズは2014年8月、人種に基づき万引き予防策を展開していたとして、NY州司法長官と65万ドルの和解金支払いと、人種を選別したと連想される万引き予防策の改善で合意した。  同様のケースはそれ以降も確認され、2018年にはカリフォルニア州に居住する黒人女性が、人種を理由に警備員に万引きの疑いを掛けられたとして同社を訴えた。こうした訴訟はメイシーズに限らず小売業者で幅広く発生しており、薬局チェーン大手CVSやスポーツ衣料大手ナイキなども対象となっている。  カリフォルニア州以外でも、人権保護の観点から万引きの取り締まりは緩和されてきた。リベラル派が多いイリノイ州で2016年12月、クック郡のキム・フォックス主席検事により、万引きを「重罪」とする分岐点を被害額300ドルから1000ドルへ引き上げられた。  保守派が多いテキサス州ダラスでも、同郡地方検事のジョン・クルーゾ氏が2019年5月、万引きを始め「軽微な犯罪を起訴しない」と宣言し、議論を巻き起こした。2人はそろって、前任の共和党検事から選挙で勝ち上がった就任した民主党検事である。  マサチューセッツ州でも万引きが多発しているせいか、ボストン・ヘラルド紙は2020年4月に編集委員の連名にて「小売業者を支援し、万引きを終わらせよ」との社説を掲載。コロナ禍で大打撃を受けた小売業者の救済と、年間10億ドルもの窃取被害を食い止めるため、万引き犯を逮捕すべきだと主張した。  同州では、万引き初犯で窃取品が100ドル以下ならば250ドルの罰金、2回目なら500ドル、3回目ならば1000ドルの罰金に加え、最大で2年半の懲役が科される。それでも、万引きが後を絶たない様子が浮き彫りとなっている。なお、NY州ではイリノイ州と同様に1000ドル以下であれば軽罪として扱われる

 

 

 

 

小売業者の苦境

写真:現代ビジネス

 万引き多発の代償は、旗艦店の閉鎖だ。  薬局チェーン大手ウォルグリーンは、カリフォルニア州のサンフランシスコで少なくとも過去5年間で17店舗の閉鎖を余儀なくされた。  調査会社コアサイト・リサーチによれば、2019年に閉鎖された店舗数は前年比63%増の約9300店と2012年に統計を開始して以来、最多を記録。コロナ禍を受け2020年には2年連続でこの記録を更新したことは、想像に難くない。「小売の終末(retail apocalypse)」と呼ばれる旗艦店舗が次々に閉店していく現象は、ネット小売へのシフトだけではなかったというわけだ。  実際、ワシントン・ポスト紙は、2020年に食に困る米国人が約5400万人とする米農務省の試算を紹介した上で、ペンシルベニア州フィラデルフィアでの万引き報告件数が前年比60%も急増したと伝えた。全米小売業協会(NRF)の調査でも、2020年において「万引きを含む店舗内での組織犯罪が増加した」との回答は75%を占めた。  万引き自体、国家的な緊急事態や景気後退に陥った際に増加する傾向がある。  2001年9月の同時多発テロ事件発生後は16%増、リーマン・ショック後は34%増を記録していた。コロナ禍で生活に困窮した人々が万引きに走ったとあれば、緊急事態という特殊要因も重なり、温情ある措置が講じられても不思議ではない。組織的な万引きの場合、ホームレスや無職の人間が実行犯としてスカウトされてきた事情もある。

「人種差別的」な警察への締め付け

写真:現代ビジネス

 2020年の大統領選で勝利したバイデン氏は、ミネソタ州で発生した警官による黒人男性暴行死事件を受け、人種差別的で不適切な対応を理由に、選挙中から「警察の予算削減(defund the police)」を掲げてきた。こうした流れを受け、2020年には民主党地盤の州を中心に警察予算の削減が実施されてきたが、万引きを始め数々の犯罪が増加中で、情勢は一変している。  NY市は一旦廃案となった警察署の増設として再び9200万ドルを充てた。ロサンゼルス市でも、2020年に警察予算を1.5億ドル削減した後、2021年に5000万ドルの増額を提案。メリーランド州ボルティモアでは、2020年に2300万ドルが削減されたが、2021年にはそれを相殺する2700万ドルの上乗せを求めた。  ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙によれば、全米の主要な約20地域での警察予算のうち、5月後半時点にて警察予算を引き上げたのは9地域で、それぞれ前年比1~6%増加させたという。  90年代初頭の景気後退を経て、1994年にNY市長に就任したルディ・ジュリアーニ氏は、窓割れ理論(割れた窓を放置が他の窓を割られやすくしてしまうとの理論を実践、転じて軽罪の取り締まり強化を通じた重罪の抑止)に則し、環境から犯罪取り締まりを強化した。万引きを始めとした刑罰の緩和や警察予算の削減は、この逆を行く動きだ。ただ、こうした流れがいつまで続くかは未知数である。  現時点で、米国人は治安悪化を深刻に捉えている。  3月1~2日にUSAトゥデー/IPSOSが実施した世論調査では、「警察予算の削減に賛成」との回答は18 %に過ぎない。ただ、「警察予算の削減に反対」との回答は白人で67%、共和党支持層で84%に対し、黒人は28%、民主党支持層は34%で、それぞれの亀裂の深さは一目瞭然だ。  一方で、5月24~26日にヤフーニュース/ユーガブが実施した世論調査で、新型コロナウイルス、経済、人種関連、ポリティカル・コレクトネス、凶悪犯罪の5項目うち「非常に大きな問題」としてトップに挙がったのは「凶悪犯罪」で39%と、前年7月時点の3位から上昇した。「新型コロナウイルス」(32%)はもちろん、「経済」(39%)や「人種関係」(41%)を上回る。  中間選挙の行方を占う上で注目されたNY市長選では、人種・経済格差に配慮しベーシック・インカムを提唱した台湾系米国人のアンドリュー・ヤン氏が敗北し、治安悪化を受けニューヨーク市警の元警察官、エリック・アダムズ氏がリードした。  米国という名の振り子は、これまで右へ左へ大きく揺れてきた。バイデン政権下で大きな政府へシフトすると共に弱者救済を目指す国となった今、中間選挙で現状維持を選択するのか、はたまた急旋回するのか。その行方は、2022年の無党派層の動向に掛かっている。

安田 佐和子(双日総合研究所調査グループ上級主任研究員