「感染再拡大の予兆みられる」 宣言解除後に人出が増加…東京で“感染者急増”に現実味
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増加比は100%超え…感染者の3割以上が20代
「感染の再拡大の予兆が見られる」 6月24日に行われた東京都のモニタリング会議では、新規感染者数の7日間平均が前回の376人から418人に増え、増加比も2週前の80.3%から先週は96.6%、今週は100%を超えて増加傾向を示す111.1%との分析が示された。 【画像】モニタリング会議で示された「時間帯別の繁華街滞留人口」推移グラフ 「元々のベースラインからすると急速に上がってきて、我々としては非常に懸念しています。要は再増加の、再拡大の兆しがあるということで今回、明確に申し上げました」 国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、強い懸念を示した。 年代別に見ると、20代から40代が依然として高く全体の67%、中でも20代は32%で最も多くなっている。 経路別に見ると、家庭内感染が最も多く49.7%、次いで職場感染が16.8%、施設内感染が11.4%、会食での感染が8.5%となった。
数週後には感染者数が急増か?変異ウイルスの状況は
東京都医学総合研究所 社会健康医学研究センターの西田淳志センター長は、5週にわたって増加が続いた繁華街の人出について、一時 横ばいだったのが、緊急事態宣言解除後は、3日間で7%ほど夜間滞留人口が増加しているとの分析を示した。 そして、「数週後には感染者数が急増するリスクがあり、強い警戒が必要です」と、ここ1~2週間の人流抑制が重要だと警鐘を鳴らした。 「今後、かなり増えてくる兆しがあらわれています」 変異ウイルスについては、N501Yが依然として8割を占めてはいるものの、インドで最初に確認された変異ウイルスL452Rが、6月7日の週の3.2%から14日の週は8.2%に増加している、との分析が出された。 東京iCDC専門家ボードの賀来満夫座長は「E484Kは、2カ月でイギリス株に置き換わった。インド型は様々な地域の各年代で確認されていて、もう少し早く置き換わると思われる。しっかり注意していく必要がある」と指摘した。
「ワクチン接種率40%が目安」も医療提供体制に余力なし
「1回接種で40%までいった時に少し陽性者の数が下がってきて、2回接種が40%を超えてくると、さらに下がったというデータがあります」 と、賀来座長はイスラエルのデータを紹介した。 一方、イギリスで感染者数が再拡大している理由を「2回接種の割合が比較的少ない影響ではないか」と指摘。 日本国内でのワクチン接種についても「接種を終えた人が全体の40%になった時」を感染者数減少のひとつの目安とする見方を示した。 「今、入院の数が一番少ない状況になっていると思います。これからまた増えていくだろうと…」 一方、東京都医師会の猪口正孝副会長は、ワクチン接種で医療提供体制に全く余力が無いとした上で、入院患者増加への不安をのぞかせた。
小池知事不在の中…
「東京都といたしましては、組織として今までと変わらず、この対策に万全を尽くしていくということでございます」 過労で静養中の小池知事の代理として職務にあたる多羅尾光睦副知事は、さらに「今が正念場」だと、改めて都民に協力を求めた。 (執筆:フジテレビ都庁担当 小川美那記者)
小川美那