ドイツ州議選で与党勝利 メルケル氏後継のラシェット氏に追い風
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ドイツ東部ザクセン・アンハルト州で6日、州議会選があり、メルケル首相の中道右派与党・キリスト教民主同盟(CDU)が勝利を確実にした。9月の連邦議会選(総選挙)を控え、引退するメルケル氏の後継として首相候補に選出されたラシェットCDU党首には追い風となった。 CDUは3月の二つの州議会選で敗北し、党支持率も一部世論調査で環境政党・緑の党に逆転されるなど苦境に陥っていた。だが最近は新型コロナウイルスの流行も徐々に落ち着きを見せており、与党に対する支持の回復が結果で示された形だ。 州選管の暫定結果によると、CDUの得票率は2016年の前回選より7・3ポイント増の37・1%。排外主義的な右派政党・ドイツのための選択肢(AfD)は第2党を維持したが、前回から約3・5ポイント減の20・8%だった。以下、左派党(11%)、社会民主党(8・4%)、緑の党(5・9%)と続いた。 ドイツの右翼に詳しいジャーナリストのミヒャエル・クラスケ氏は今回の選挙戦を「CDUとラシェット氏にとって、AfDと今後も距離を保てるかどうかを決める選挙だった」と分析する。移民排斥などを掲げ、旧東独地域で支持を広げてきたAfDは前回州議選で24・3%を獲得し、29・8%のCDUに迫った。今回は、AfDに流れた保守票をラシェット氏が奪還できるかが注目され、その手腕を測る試金石ともなっていた。【ベルリン念佛明奈