シャフリヤール「素晴らしい末脚」 わずか10センチ差の勝利
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第88回日本ダービーを制したシャフリヤール(手前右)。同左は鼻差で2着のエフフォーリア=東京競馬場で2021年5月30日、西夏生撮影
中央競馬の3歳馬の頂点を争うクラシック3冠レース第2戦、第88回日本ダービー(東京優駿、GⅠ)は30日、東京競馬場の芝2400メートルに17頭が出走して行われ、単勝4番人気のシャフリヤール(福永祐一騎乗)が2分22秒5のレースレコードで優勝し、賞金2億円を獲得した。GⅠは初勝利。皐月賞馬で1番人気に支持されたエフフォーリアは2着で、史上8頭目の無敗での2冠達成はならなかった。
シャフリヤールが直線のし烈な攻防を制し、2018年生まれのサラブレッド7398頭の頂点に立った。 鞍上(あんじょう)の福永が「厳しい展開だった」と振り返ったように、スローペースとなった前半は中団につけたものの、馬群の中に押し込まれる形になった。 最後の直線に向いても、前は詰まっていた。直線半ばでようやく進路が開くと、無敗での2冠を狙ったエフフォーリアの姿が見えた。福永は「捕まえるのは困難か」と一瞬思ったというが、そこからがこの馬の真骨頂。ぐいぐいと差を詰め、ゴール板ではわずか10センチ、前に出た。 福永は「最高にうれしい。馬の力に助けられた。最後の最後まで素晴らしい末脚を使ってくれた」と愛馬を絶賛。昨年の3冠馬コントレイルに続く優勝で、史上3人目のダービー連覇という偉業を果たした。 昨年は自分が重圧の中で2冠を狙う立場だっただけに、「彼は22歳という若さで大変な経験をした」と敗れた横山武を気遣った。また、「(レース中に)彼の位置を確認していたが、素晴らしい騎乗で、馬も素晴らしい走り。最後は競馬の神様がどちらにほほ笑むかというレベルの差だった」と話した。
【海保真人