NCFシェルをコネクターに採用するAAEX2021受賞の最新モデル
汎用LANケーブルとの違いは?“NCF素材”採用フルテック「LAN-8 NCF」のサウンドをレポート
生形三郎
フルテックのLANケーブル「LAN-8 NCF」14,080円(0.6m・税込)
独自の静電・制振効果を持つ特殊素材「NCF」を採用(Text by生形三郎)
■オーディオグレードの音質と取り回しの良さが特徴的
フルテックの「LAN-8 NCF」は、ロスレスストリーミングサービスなどの充実でニーズが一層高まる、ネットワーク周辺アクセサリーに投じられた待望の製品。次世代規格の40GBASE-Tに対応するカテゴリー8に適合し、比較的手頃な価格でオーディオグレードの音質効果を明瞭に享受でき、物理的なハンドリングも良いケーブルといえ、それが『オーディオアクセサリー銘機賞2021』を受賞した最大の評価ポイントだ。
「LAN-8 NCF」の主な特徴は、フルテック独自の導体であるα処理、すなわち超低温処理と消磁処理が施された銀メッキOCC導体、そしてコネクターのシェルに、同社独自の静電および制振効果を持つ特殊素材「NCF」を用いていることだ。また、4組8本のツイストペアケーブルは、アルミ箔と導体編組による3重の入念なシールド構成を採る。
ケーブル表面はナイロン編組ジャケット仕上げで、制振効果に加えて滑らかな手触りを伴う取り回しの良さが特徴的だ。コネクター部も汎用サイズで、ワイヤリングしやすいことも嬉しい
フルテック「LAN-8 NCF」のケーブル構造図。超高速 最大40Gbps対応 2000MHz 24AWG S/FTP 三重シールドとなっている
フルテック「LAN-8 NCF」と3種類のLANケーブルでの比較試聴を実施
■透度や低域再現力に優れてナチュラルな音色感を展開
フルテック「LAN-8 NCF」のサウンドの印象は、実にバランスのよく取れた仕上がりである。まず、少し高価な価格帯のカテゴリー8対応の汎用LANケーブルと聴き比べると、当然だがその差は歴然。ノイズフロアがグッと下がり、全体的な視界の透度が著しく改善する。各楽器の定位やディテールが、自然な間合いで描き出されていく。
フルテック「LAN-8 NCF」は入念なケーブル構造を採用しながら、物理的なハンドリングのしやすさを兼ね備えている
そして最も大きなポイントは、低域再現力の違いだ。ローエンドは超低域までしっかりと沈み込み、ボトムがしっかりと据わり泰然とし、なおかつ十全な量感を取り戻す。
次にオーディオグレードの同価格帯の製品と比べると、「LAN-8 NCF」は低域の確かさに加え、中域・高域方向が強調のないナチュラルな音色感で、品位よく展開される点に有意性を見出せる。ここは同社NCFシリーズが持つ、クリアでありつつも誇張のないナチュラルなクオリティアップ効果に通底すると感じる。
また、より高価なオーディオ用LANケーブルと比べても、「LAN-8 NCF」は、やはり低域方向の重心の低さとふくよかさ、中・高域方向のナチュラルさに十二分なアドバンテージを体感できた。ウェルバランスな向上効果を、導入しやすい価格で実現した画期的な製品である。LANケーブルのクオリティアップに、フルテック「LAN-8 NCF」をより多くの方へ広くお薦めしたい。
【LAN-8 NCFの仕様】●仕様:カテゴリー8対応、8P8C S/FTP LANケーブル●導体:19/0.12 24AWG純銀メッキα(Alpha)OCC●絶縁:特殊な高密度ポリエチレン4対のツイストペアケーブル●端子部:厚肉金メッキRJ45コネクター+NCFシェル●外径:7.0±0.1mm●ラインアップ:14,080円(0.6m・税込)、16,456円(1.2m・税込)、18,832円(1.8m・税込)、21,604円(2.5m・税込)、25,960円(3.6m・税込)、31,504円(5.0m・税込)、41,404円(7.5m・税込、受注生産)、51,304円(10.0m・税込、受注生産