JRA167人が給付金不適切受給 虚偽回答の調教助手3人を出勤停止

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毎日新聞

日本中央競馬会(JRA)のロゴ=中嶋真希撮影

 

 

 日本中央競馬会(JRA)の厩舎(きゅうしゃ)関係者が新型コロナウイルス対策の国の持続化給付金を制度の趣旨や目的から逸脱して受給した問題で、JRAは10日、当初の調査に対して虚偽回答をしていた調教助手3人を含め計167人が不適切に受給していたと発表した。総額は約1億9000万円。JRAは不適切な受給者ら170人を戒告や厳重注意処分とした。日本調教師会は虚偽回答の3人を出勤停止とした。

 

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JRAは2月半ばに給付金の不適切受給を指摘した報道を受け、日本調教師会と協力し、茨城県美浦村と滋賀県栗東市のトレーニングセンター(トレセン)で働く全厩舎関係者にアンケートや聞き取り調査を実施。3月6日に騎手や調教師、厩務員ら計165人が総額約1億9000万円の持続化給付金を受給していたと発表し、副業の飲食店経営を理由とした1人を除く164人が不適切な受給だったとした。  しかし、公表から6日後に調教助手1人が不適切に受給していたにもかかわらず、調査に対して「申請・受給はしていない」と虚偽の回答をしていたことが発覚。JRAは全厩舎関係者2748人を対象に書面によるアンケートで再調査していた。  調教助手や騎手らは、新型コロナの影響で管理する馬や騎乗馬のレース成績に応じて得られる報酬が減少したなどとして、給付金を申請していた。しかし、中央競馬はコロナ下でも無観客で開催を継続。2020年は過去最多のレースを実施し、賞金や手当の減額はなかった。JRAは「中央競馬の賞金に由来する収入について、感染症の影響は極めて限定的」との見解を示していた。

 

【真下信幸】