米中華街で横行するヘイト犯罪に、俳優2人が懸賞金「我慢の限界を超えた」
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先月、米カリフォルニア州オークランドのチャイナタウンで、歩行者のアジア系男性(91)が、背後から来た男に激しく突き飛ばされる事件が発生。
防犯カメラの映像がたちまちネット上に拡散し、怒りの声が高まった。
そして2人のアジア系俳優、映画「香港国際警察」のダニエル・ウーさんと、ドラマ「Hawaii Five-0」のダニエル・デイ・キムさんが、懸賞金約260万円を出して情報提供を呼び掛けた。
1月下旬、米加州オークランドのチャイナタウンで撮影された映像。91歳のアジア系男性が、背後から男に激しく突き飛ばされた。この日チャイナタウンでは、同様の事件が相次ぎ3件が防犯カメラに捉えられていた。同一犯とみられている。
この映像がネット上に広がると、人々は怒りの声を上げた。ベイエリア育ちの中国系米俳優ダニエル・ウーさんもその1人だ。
米俳優 ダニエル・ウーさん 「子どものころはよくチャイナタウンに行った。叔母は今もそこでパン屋を営んでいて、事件のあった場所はよく知っている。だから胸が痛む」 ウーさんは、俳優仲間のダニエル・デイ・キムさんに協力を求めた。
2人は犯人逮捕につながる情報に2万5000ドル(約260万円)の懸賞金を支払うと発表した。
米俳優 ダニエル・デイ・キムさん 「このようなニュースを私たちはほぼ毎日目にしている。この事件に懸賞金を出したのは、私たちの我慢の限界を超えたからだ。
ウーさんと私はこの件を話すだけでなく、何かそれ以上のことをしなければならないと思った。ただ単にリツイートしたりSNSで何かを伝える以上のことをしなければダメだと思った。
この件に関心を持ってもらい、今すぐこの件を話せるようにお金を出す必要があった」 オークランド警察の本部長は、俳優2人の協力に謝意を表明。そして男はヤヒヤ・ムスリム容疑者(28)と特定され、複数の暴行容疑で訴追された。
だがチャイナタウンでは他にも襲撃事件が起きている。地元商工会のチャン会長は、地域を「犯罪の波」が襲い、住民や商店主は危機的状況にあると説明する。
地元商工会のチャン会長 「チャイナタウンには多くの高齢者が暮らしていて、彼らは街を歩くことを恐れている。また商店の従業員が働くのが怖いと訴えている。
多くの人が日常生活に影響を感じているのは間違いない」 オークランド警察はパトロールを増やすほか、12日の旧正月までに司令本部をチャイナタウンに移すなどの対策に乗り出した