ここまで絶賛されたら、「買うっきゃないでしょ!」

 

 

 

 

 

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オーディオアクセサリー銘機賞グランプリ

造りの入念さが高評価、ティグロン「TPL-2000R/X」の魅力を6名の銘機賞審査員が語る

井上千岳/生形三郎/鈴木 裕/炭山アキラ/林 正儀/福田雅光

 

 

 

 

 

 

 

 

昨年秋に開催された「オーディオアクセサリー銘機賞2021」にて、ティグロンのインターコネクトケーブル「TPL-2000R/L」がグランプリを受賞した。2019年発売の電源ケーブル「TPL-2000A」のグランプリ受賞に続く快挙である。同社のケーブルは日本国内のみならず、海外での評価も高まりつつある。ここでは、オーディオアクセサリー銘機賞の審査員である6名のオーディオ評論家に、そのサウンドの魅力を語っていただこう。

TIGLON
TPL-2000R/L

RCA/XLRインターコネクトケーブル
150,000円(1.0m)、160,000円(1.5m)(いずれもペア、税抜)

 



■静寂に際立つサウンドステージ。価格以上の造りが高評価(鈴木)

同社のプレミアムライン2000シリーズの第2弾として、インターコネクトケーブルのRCA/XLRが登場。「オーディオアクセサリー銘機賞2021」でグランプリを受賞した。音の良さや造りの入念さが評価されたが、同時に誠実な値付けの要素もある。音のクオリティからすると倍以上の値段がしてもおかしくないパフォーマンスだが、材料費や製造工程の作業賃から積み上げていった結果であるという。

その造りを説明すると、導体は同社の基準になるというディップフォーミング無酸素銅DF-OFCだが、それ以外の部分については、高周波のノイズや帯電、振動といった、インターコネクトを通る音楽信号の純度を落とす要素に対して、ひとつひとつにていねいに対策。それがトータルの音質にきちんと反映されている。

その音は背景の静かな中に、サウンドステージがきれいに展開。演奏のデュナミークやタイム感を細やかに、きっちりと再現。RCAのリアリティが高いが、XLRでは微妙に美しい感じも出てきて、この価格帯で高級ケーブルの一端を味わうことができる。

■抑揚あるエネルギーから説得力のある表現が迫ってくる(井上)

昨年の電源ケーブルTPL-2000Aが世界的な快進撃を続けているというティグロンだが、その余勢をかって今度はインターコネクトケーブルを手がけている。流れとしては当然で、ディップフォーミングOFCとバーンイン技術HSEに加えて、特殊絶縁体スーパークリアアイソレーターと振動抑制技術アドバンスド・マグネシウム・フィルターを採用し、万全の態勢で構成された内容の濃い製品である。アウターには特殊外装チューブを採用し、帯電防止処理も施している。

静かな空間性と平坦で滑らかなレスポンスが、上下に幅広く伸びて色付けのない再現力を発揮している。誇張や無理がなく、音楽の起伏とともにエネルギーが抑揚を見せる。ピアノや室内楽でもオーケストラやジャズでも、それが説得力のある表現となって人に迫ってくるのである。もちろん情報量も豊富で微細な信号もていねいに拾い上げ、ディテールの表情が多彩だ。力まず昂ぶらず、確実に信号を伝えてゆく安定感が人を惹きつける。飾らないことへの信頼感が、その魅力の根底にあると言っていい。

■生命感に溢れたサウンド、こんなすごい音はそうそう聴けない!(炭山)

2019年のティグロンは、沖野代表にとって“畢生の大作”というべき電源ケーブルTPA-2000Aでアクセサリー界の話題をさらったが、今度はインターコネクトケーブルが猛烈に熱い。高音質導体として同社が世界を牽引する格好で採用しているディップフォーミングDF-OFCを導体に採用しているのはもちろん、同社が誇る特許技術マグネシウム・シールドを用い、さらにケーブルの振動を全方位にわたって強力に抑えるアドバンスト・マグネシウム・フィルターも搭載されている。

私もいろいろ実験したが、マグネシウムというのはある種の“劇薬”で、用法・用量を間違えると楽音まで寂しくなってしまう。しかしそこは長年の蓄積だ。沖野代表はマグネシウムを完全に使いこなしておられるに違いない、という音質を聴くことができる。外装は航空産業で用いられる高信頼のスリーブに帯電防止処理を加え、RCAはバレット・プラグという非常に導通性の良いものが用いられている。音はもう超弩級だ。音が肉太で生命感にあふれ、どこまでも伸びやかに音が広がり、繊細に消えていく。こんなすごい音、そうそう聴けるものではない

 

 

著しく冴えた静寂感に満ち有機的な活力も漲っている(生形)

「TPL-2000R/X」は、ティグロンの新たなトップエンドとなるTPL-2000シリーズに加わった、待望のインターコネクトケーブルである。「オーディオアクセサリー銘機賞2020」にシリーズ第一弾となる電源ケーブルTPL-2000Aがグランプリを受賞したことも記憶に新しいが、今回のインターコネクトも、それに並ぶ魅力的な個性と高い性能を持ったケーブルに仕上がっている。

構成としては、同じディップフォーミングOFC導体を基本とし、特許取得のオリジナルフィルターや特殊絶縁体の採用、そして、独自のバーンイン技術であるHSE処理が施されていることが特徴だ。音質検討を経て辿り着いたというシンプルなコネクターは、軽量かつサイズも標準的で取り回しが良い上、機器コネクター部に負担が掛からないことも嬉しい。帯電防止処理を施した外装ジャケットは、ホワイト色で爽やかな仕上がりだ。

そのサウンドは、著しく冴えた静寂感に満ちたもの。全体的に、端正に引き締められた、緩みや滲みのないクリアな描写が堪能できるが、そこには有機的な活力も漲っている。まさに、設計者の人柄や気概を感じさせてくれる魅力溢れるケーブルだ。

■透明度が高く大変抜けがいい厚く存在感のある再現力が魅力(福田)

ティグロンの最高級ラインケーブル。アドバンストマグネシウムフィルター、特殊絶縁体スーパークリアアイソレーターを採用、ディップ・フォーミングOFC導体を特徴にするケーブル。RCAケーブルは、高S/Nで透明度が高く、大変抜けのいい特色がある。高域特性に優れた性能が帯域全体の表現力を高めている。レスポンスはスピード感があり、低音、中低音も締まりを効かせ分解力が高い。この性能であれば総評として90点に思う。

XLRケーブルはノイトリックのカスタマイズ金メッキを装着しているが、性能はRCAタイプと同じとはいえない。高域特性は多少ぬるくなるが、中低域は厚手な響きあり、低音の力をしっかり構成。適度な弾力と締まりを効かせる。抜けのよさはこのタイプも良好に備えている。低音弦楽器の解像力はRCAの方がしっかりする。総合的には厚く存在感のある立体感、良好なフォーカス力などを備え、総評としては優秀である。

■驚異的なS/Nと音場のダイナミズムグランプリにふさわしい究極の完成度(林)

ティグロンケーブルの最高峰、プレミアムライン2000シリーズに加わったインターコネクトケーブルだ。RとXは2芯シールドのRCA、3芯シールドのXLRという違いで、世界的に評価の高い電源ケーブルTPL-2000Aのノウハウが注入され、いずれもアドバンスド・マグネシウム・フィルターを両端に搭載したのが際立つ特徴だ。見た目にもインパクトがある。徹底した電磁波吸収対策や迷走電対策。さらに縦振動をも抑える振動対策が施され、単線のようなハイスピードなサウンドを撚り線で実現している。

XLR端子はノイトリックのハイエンドシリーズで、中空センターピンを採用したRCA端子はオーストラリアKLEのカッパーハーモニーというプラグへのこだわりも注目したい。お馴染みのDF-OFC導体。そしてHSE活性処理らしいオープンで緻密、かつストレスのないサウンドが得られる。驚異的なS/Nと音場のダイナミズム。そしてみずみずしさを獲得し、極めて完成度の高い仕上がり。“グランプリ”受賞にふさわしいケーブルだ