オーディオ銘機賞2021
ESOTERIC

フラグシップの血統を受け継ぐ一体型機
角田郁雄
フラグシップモデルであるGrandioso P1XとD1Xの血統を受け継いだ一体型SACDプレーヤーである。その音は、空間と音像描写性に優れ、楽器奏者や歌い手をリアルにステージに浮かび上げる。今一度、コレクションしたディスクをじっくりと堪能したくなるほどの音質と、モノとしての高品位な佇まいも感じる。
金賞GOLD AWARD

生命感溢れる演奏が眼前に展開する
小林 貢
新設計DAC部は京都の老舗半導体メーカーのローム社のハイエンドオーディオ用高性能DACチップを世界で初めて搭載。従来以上の広帯域化と高SN比を実現し、豊富で正確な情報量が確保され、音楽を高精度に再構築してくれる。実体感のあるサウンドで生命感溢れる演奏が眼前に展開する。

AAVAボリュームコントロール機構を搭載したプリアンプ
藤岡 誠
左右chの回路を筐体内で独立配置するなどの内部構造に加え、プリアンプとは思えないほどの電源部の充実。さらには、フォノイコライザーやトーンコントロール機能は省かれているが、その他の機能は充実した内容を持ち操作性も文句なし。実際に試聴すれば高SN比でハイスピード。超マニアも納得のクオリティを持つ。
LUXMAN
L-595A LIMITED
プリメインアンプ

技術力の結集が生み出した高いクオリティ
福田雅光
ローズウッドのケース、角形スイッチは、かつての銘機から継承されたクラシックなデザインであるが、むしろ洗練されたフロントビューで新鮮さがある。高域特性は繊細な解像力とS/Nに優れ、空間表現力のクオリティは高く、低域の力感は強力にダンピングが効いている
特別大賞GOLD SPECIAL PRIZE
ESOTERIC
Grandioso C1X
プリアンプ

技術的な成熟とプリへの見識が飛躍的に高まっている
鈴木 裕
アナログアンプ部における技術的な成熟やプリアンプという役割をどう進化させるべきかという見識が飛躍的に高まっているのを感じる。情報量を最大限に聴かせようという、言わば精緻な方向性を堅持しつつ、密度の高さや実体感の強さ、音の太さという意味においても何段階にも向上。
特別大賞GOLD SPECIAL PRIZE
Phasemation
EA-2000
アナログディスク関連

驚異的な実体感と桁外れの構成は別格と言うしかない
井上千岳
MC昇圧トランス、イコライザーアンプ、電源の全てをモノラル構成とした実に6点セパレート。イコライザー部はSRPP増幅回路とカソード・フォロワーの組み合わせ。補正カーブはRIAAのほかモノ用2種も装備している。豊富な情報量とエネルギーによる驚異的な実体感は、桁外れの構成とともにもはや別格と言うしかない
Devialet
Expert 250Pro
プリメインアンプ

先進的なイメージはいまも他者の追随を許さない
山之内 正
約10年前にデビアレのコンポーネントが登場したときの衝撃は今日でも忘れることができない。スタイリッシュな外観とハイブリッドアンプ「ADH」の融合がもたらす先進的なイメージはいまも他者の追随を許さず、抜きん出た技術力の高さは今日でも注目すべき同社の核心といえる。
ハイエンド特別大賞HIGHEND SPECIAL PRIZE
TAD
TAD-CR1TX
スピーカーシステム/中・大型

非常に贅沢かつ高性能なスピーカーシステム
石原 俊
フロア型の最高級機、TAD-R1TXで培った技術が投入されている。中高域のドライバーユニットはR1TXと同じCSTドライバーだ。これは同軸タイプで再生可能周波数帯域は250Hz~100kHzと、驚異的に広い。剛性は極めて高く、面取りを施されたラウンド形状で、音の回折や平行面による定在波が防止されている。
ハイエンド特別大賞HIGHEND SPECIAL PRIZE
Paradigm
PERSONA 9H
スピーカーシステム/中・大型

澄み切った空間に臨場感に溢れた演奏を描写
角田郁雄
大きな評価点は、卓越した技術と音質である。まさに同社のテクノロジーを結集した最新モデルと言えるのである。スピーカーが消えると言いたいほどの高解像度再生力が特徴。澄み切った空間に臨場感に溢れたヴィヴィドな演奏を描写し、奏者の演奏の心までも鏡のように映し出しているように思える
Technics
SU-R1000
プリメインアンプ

デジタル技術をアナログ再生へ大胆に応用
大橋伸太郎
パワーアンプ部のフィードバックに着目、歪み成分のみを抽出して帰還することでスピーカー逆起電力と電源電圧変動の悪影響を排し低域の駆動力を高めた。本機で注目すべきが、インテリジェントフォノイコライザー。アナログ再生新時代へ、デジタル技術の大胆な応用が高く評価された