警察も脱帽 「世界一のニセ札」偽造犯がついに逮捕
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ルーマニア警察が押収したニセ札のルーマニア・レイの山Photo: Konstantinos Tsakalidis / Bloomberg
ルーマニアで、「世界一の偽造犯」と警察も呼んだ男が逮捕された。 男が偽造した100ルーマニア・レウ札(約2500円相当)はあまりの出来のよさに、「スーパーレウ」の異名を獲得した。レウ札は、高度なセキュリティーが売りのプラスチック(ポリマー)製で、精密な複製はほぼ不可能とされてきた。このレウ札を偽造する犯罪組織が摘発されたのだ。 警察の組織犯罪対策課は6月24日、その犯罪組織のリーダーが「ルーマニア史上最高のニセ札を製造し、ポリマー紙幣では世界一の偽造者になった」と公表した。 1999年に導入されたポリマー紙幣は、ルーマニア国立銀行の自慢の種だ。偽造が難しいだけでなく、耐久性もあって長く使えるからだ。 イギリスでも2016年にポリマー紙幣に移行しはじめて以来、偽造は急減している。 ポリマー紙幣は衛生面でも優れており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックでさらに便利なことがわかってきた。 「ポリマー紙幣には2つの特徴があります。偽造が非常に難しいこと、そして、石鹸と水で簡単に洗えて劣化しないことです」 国立銀行アドバイザーのアドリアン・バシレスカはそう話す。 ルーマニアでの紙幣偽造は多くない。大半の犯罪組織は、ユーロの高額紙幣を偽造したがるからだ。 ルーマニア警察は今回、ブカレスト市内の物件5ヵ所と山荘1ヵ所を強制捜査し、3人の身柄を拘束した。容疑者の氏名は公表されていない。2014年以降の通貨偽造罪で起訴されることになる。被害総額は170万レウ(約4200万円)に上る。 この詐欺師たちを捕まえるのになぜこれほど手間取ったのか。今回の捜査で明らかになったその理由を、組織犯罪対策課は次のように述べた。 「誰ひとりニセ札だと気づかなかったので、誰からも情報提供がなかったのです」
Irina Vilcu and Andra Timu
https://news.yahoo.co.jp/articles/2316c6a7b351b307fb3845234a85ac974212fdee