安倍さんは、もっと、称賛されるべきです

 

 

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「日本は成功例の先駆け」米国が大絶賛したコロナレポートの衝撃内容

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現代ビジネス

米国から見た日本のコロナ禍対策

写真:現代ビジネス

 

 

 

 

 ワシントンDCから米国人の目で日本の金融・財政政策を分析・解説する在米金融アナリスト、斎藤ジン氏がパートナーの一人である「OBSERVATORY VIEW」をほぼ毎号、読み参考にしている。

 

 

 

  【写真】2020年、実は日本が「世界最高の国ランキング3位」になっていた…! 

 

 

 

 

 ニューヨークを本拠とする有名なユーラシア・グループのイアン・ブレマー代表が編集・発行する「eg update」も必読のニューズ・レターである。その他にも、DCで政治コンサルタントを務めるカール・アイゼルバーグ氏の「Monitor」も定期送付してもらっている。  本来、いずれも高額な購読料を支払うべきであるが、零細事務所を運営するジャーナリストに免じて贈呈扱いになっている。  

 

 

 

 

 

 

さて、直近の「OBSERVATORY VIEW」(6月9日付)に斎藤氏が寄稿した「日本公衆衛生政策―コロナ、政治、ジャパン・パラドックス」は日本のコロナ禍対策を分析した秀逸のレポートである。  同レポート冒頭の長文リードは次のように始まっている。  <コロナに関して市場は以下を確認したがっている:(1)金融政策によって確実な信用フローが維持される、(2)財政政策が蒸発した需要を穴埋めする、(3)コロナを封じ込め、経済活動を再開する、この三つだが、現在(3)が最大の不透明要素だ。我々は感染症そのものについては何の付加価値も生み出せない。しかし感染症研究に基づいているとしても、公衆衛生政策は最終的に政治判断である。>

「日本はその成功例の先駆けと言える」

 途中のパラグラフを割愛して、リードの最後を紹介する。  <日本は(感染症学分野で)主流派の予言を忠実に守らなかったことから、強い批判に晒されてきたが、その(新型コロナウイルス感染者の)死亡率は0.73と相対的に成功した国の一つだ。そして将来、日本のように政治的な裁量判断を多用する国が増え、社会の様々な側面(=公衆衛生危機、経済コスト、個人の自由とプライバシーに対する懸念など)を政治指導者の政治資本の範囲の中で考えるようになるだろう。日本はその成功例の先駆けと言える。>  レポートの見出しにある「ジャパン・パラドックス」とは、まさに我が国の政治指導者、即ち安倍晋三首相がコロナ危機当初、感染症学の専門家の助言よりも独自の裁量判断を重視するアプローチを追求し、国内外の専門家やコメンテーターから批判されていたが、様々な側面のバランスをどう取るのかと、政治資本の中で考えて優先順位を付けてきたのでコロナ感染者数と死亡者数の低さを得たことを指す。  日本は、韓国や台湾のように個人の自由とプライバシーの侵害の懸念よりもデジタル追跡ツールの使用を優先させ、且つ広範なPCR検査や感染者隔離のために民間施設徴用などが実施できなかった。それ故に、声高に日本のコロナ禍対策は間違っていると断じられたのである。  だがしかし、人口密度が高い大都市圏を抱えるだけでなく、約1億3000万人もの人々が米モンタナ州と同程度の広さの国土に住んでおり、しかも最も高齢化が進んでいる社会である日本の死亡率0.73は、ドイツ(10.48)を大幅に下回っているのだ。

 

 

 

 

 

 

PCR検査の優先順位が低くなるのは不可避

 斎藤氏の指摘はこうだ。確かにラッキーな面があったかも知れない。しかし、日本のアプローチの起点は「限られた能力でできるだけ多くの命を救うために医療崩壊だけは回避しなければならない」ということであり、そこから全ての優先順位付けを行ったと言う。  換言すれば、戦術的優先事項(1)クラスター(感染者集団)を最小限に抑え、(2)一定の症状(持病を含む)を持つ患者を優先的に治療する、の2つであった。であるならば、PCR検査の優先順位は低くなるのは不可避というのである。  斎藤氏の数多い指摘の中でも得心した件があった。<日本は先端医学の分野では決して米国と比肩することは出来ないと考えている。しかし感染症との闘いは結局、トップレベルの「ベスト・アンド・ブライテスト」ではなく、現場の名もない一兵卒の頑張りにかかっている。>  同氏が言う「現場の名もない一兵卒」とは、各地の保健所に監視と追跡のプロを含む様々な医療専門家で構成される現場の実行部隊であり、彼らがクラスターの特定と感染経路を愚直に追跡した影のヒーローであると讃えている。  そうであっても、コロナウイルスの「第2波」「第3波」は必ず襲来する。そのためにはSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)を含めて一連の相対的な成功体験に満足するのではなく、感染症対策の最新技術や医療システムを導入すべきだ。支給するマスクの数やPCR検査件数を競うのではない。いつの日か痛い目に遭って世界の笑いものにならないためにも、それは必要である。

 

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/f20dc1d353c90c9186a0495ef3d61d258a4638b6?page=2

 

 

 

 

歳川 隆雄(ジャーナリスト)