フルテックさんの、「NCF Booster」を使用したどこかの国での、オーディオショーの会場での、YouTubeを紹介しましたが
フルテック「NCF Booster」をどう使う? アイデア実践レポート
角田郁雄
https://www.phileweb.com/review/article/202006/04/3862.html
いま、アクセサリーを使った環境整備が、オーディオシステムの音にかつてない劇的なクオリティアップ効果を生んでいる。その要因は、目覚ましく進化したアイテム達の相次ぐ出現にある。なかでもフルテックの「NCF Boosterシリーズ」は、優秀なツールを続々と登場させている旗手といえる。多彩な活用で手持ちの機器を高性能化できる、その最新ツールの魅力とアイデア満載の導入レポートをお届けする。
フルテックNCF Boosterシリーズの効果と魅力
■振動と静電気を激減させて、微弱な情報までリアルに描写
FURUTECHのコネクター/ケーブルフォルダー「NCF Booster-Brace」(19,800円、税抜) と「NCF Booster-Brace-Single」(13,800円、税抜)
いまや、ケーブル・サポートシステムの代表的存在となったフルテックの「NCF Boosterシリーズ」は、日本のみならず、海外の愛好家やオーディオショウ、録音現場でも使用されているところである。とりわけ、電源ボックスに接続する電源ケーブルのプラグをガッチリと押さえ込み、振動と静電気を激減させる「NCF Booster」は高い評価を受けている。
左から「NCF Booster」(32,800円、税抜)、「NCF Booster-Signal」(19,800円、税抜)、「NCF Booster-Signal-L」(14,800円、税抜)
実際に使うと、再生音源に内包する微弱な情報まで浮き上げ、リアルな演奏のさまを描写させることに貢献した。その中心となるのは、NCF調合ナイロン樹脂である。静電気除去や振動低減効果も備え、ナイロン樹脂であるから加工しやすく、同社では特殊な半密閉型空気室をもつ形状を考え出した。重い重量で振動を抑え込むのではなく、振動の共振モードを解析し、形状や柱および壁などの内部構造で振動を抑えているのである。
その後、ラインケーブルなどにも使える「NCF Booster-Signal」が登場し、活用度が高まった。私は、このモデルに大いに関心を持った。アナログプレーヤーからのフォノケーブルをしっかりとサポートでき、振動と静電気も低減するからである。カートリッジからの信号は実に微弱。ゆえに、トーンアームにできる限り近い位置から使うと効果的である。
【NCF Boosterシリーズ応用発展のためのオプション】 (1)「TopClamp」(13,800円、税抜)。NCF Booster上部パーツの単売品。質量は約295g (2)「Cradle-Flat」(12,000円、税抜)。NCF Booster-Signalのケーブルフォルダー部の単売品 (3)「Shaft Bar Mix-8L4S」(3,400円、税抜)。手でねじ込むだけの、高さ延長用オプション。ロングタイプ(従来品)8本とショートタイプ(新規)4本セット (4)「Shaft Bar Adjuster」(3,800円/2個、税抜)。クレイドルの高さ微調整用の中継具
同社はさらに「NCF Booster-Signal-L」という、機器のインシュレーターにも使えるモデルを登場させた。これは、軽量のフォノEQ(特に管球方式)やステップアップトランスのインシュレーターとして効果を発揮する。なぜなら微弱信号が伝送されるので、振動と静電気は大敵とも言える。真空管方式フォノEQなら、真空管の微妙な揺れも抑えられることであろう
フルテックNCF Boosterシリーズ活用の楽しみ方を伝授
■Braceは電源を大幅強化、オプション応用の効果も魅力
プレーヤーとフォノEQで、もうひとつ大切なのは電源周りである。電源ボックスに使う「NCF Booster」や、2式の電源プラグに使える「NCF Booster-Brace」が発売されて高い評価を受けているが、嬉しいことに今回、シンプルな1式の電源プラグ用に「NCF Booster-Brace-Single」が発売された。もちろん電源ボックスや壁コンセント、機器にも使えるが、フォノEQなどの機器の電源入力部に、1式だけシンプルに装着できることは実に魅力的である。私はこの新製品の登場を期待していたし、多くの愛好家も望んでいたはず。
その構造の特徴は前述のように、重い重量で振動を低減するのではなく、半密閉型空気質、振動伝達NCF調合柱構造や振動抑制壁などで構成し、振動を低減していること。しかもNCFは静電気を低減し、軽量化も実現している。私は、効果はそれだけではないと実感している。ハウジング(外周)を特殊アルミ合金でカバーしていることに着目した。
なぜなら現在の電源コネクターの多くは樹脂製で、3芯シールド構造のケーブルと言えども、樹脂製コネクター部で電磁波の影響を受けてしまう。しかしBraceの2製品はハウジングが特殊合金製なので、電磁波を遮蔽してくれる。この効果は大きく、より一層の音の透明度、解像度、S/Nの向上を感じさせるのである。
「Cradle-Flat」を2個と「ExtensionShaft Bar」でACアダプターを挟んだ使用例
価格はリーズナブルだが、もし1個だけ使用するなら、フォノEQの電源コネクターに設置するのがベスト。機器の直前で、ノイズ、振動、静電気を低減できるからである。さらに効果を高めたいなら、電源ボックス側のコネクターにも設置すると良い。両端末に設置するので、より一層の効果を体験できるのである。現在、私はフォノEQのみならず、プリアンプ、DACなどでも両端2個使用を実践し、その効果を実感している。
「NCF Booster-Brace-Single」をケーブルインシュレーターに使っても効果がある
もうひとつ試していることがある。スピーカーケーブルを本品に通し、インシュレーターとして使う。ただし板材のフローリング床は不可で、厚手のカーペットの上である。このような使い方でも、音の透明度やS/N感が向上した印象を受ける。
「NCF Booster-Signal-L」を2基とオプションを活用した応用例。スタイリッシュな小型フォノEQ+ヘッドアンプ用のスモールラックが完成
さらに余談だが、「Boosterクレイドル」(棚板)2枚を背中合わせにして両端にポールを取りつけ、フォノEQやプレーヤーに付属のACアダプターを挟み込む。これでスイッチングノイズや振動などが低減し、機種によって静寂感が出ることがある。また「NCF Booster-Signal」を2基用意し、クレイドルをもう一枚背中合わせに設置し、その2枚の間に小型フォノEQを挟み込む。これで、格好良いスモールラックに豹変する。私は、「NCF Boosterシリーズ」を使うことが楽しい。いろいろな活用方法を考え、音が向上変化できるからである。
スモールラックを横から見たところ。延長した「Shaft Bar」に、追加した「Cradle-Flat」の向きを上下逆さにして機器を挟み込んで固定している
【NCF Booster-Brace/NCF Booster-Brace-Singleの仕様】
●構造:マルチマテリアルハイブリッド●本体:NCF調合ナイロン樹脂(静電効果)●ハウジング:特殊アルミ合金ブラストおよびアルマイト処理●サイズ:約54.3W×38.5H×64.8Lmm(Brace-Single)、約54W×35H×106Lmm(Brace)●質量(ネット):約67.5g(Brace-Single)、約100g(Brace)●付属:特殊粘着両面テープ(本体装着)とスペア(強力粘着、残留接着剤なし)