クラスター発生のクルーズ船から1人を救急搬送【長崎・三菱香焼工場】
4/22(水) 17:04配信
長崎市の三菱重工長崎造船所香焼工場に停泊中のクルーズ船から、新たに33人の新型コロナウイルスの感染者が確認されました。
感染者はあわせて34人となり、専門家はクラスターが発生したと見ています。
長崎県福祉保健部 中田 勝己 部長「57名のうち33名から陽性の結果がございました」
新たに感染が確認されたのは、三菱重工の香焼工場に停泊中のクルーズ客船「コスタ・アトランチカ」です。
この客船では20日、外国籍の乗組員1人の感染が確認されています。
県と長崎市は21日、船内の 濃厚接触者とされた53人に加えて、調理担当者4人を含むあわせて57人の検体を採取していました。
このうち陽性が確認されたのは33人で、今のところ重症者は確認されていないということです。
23人が陰性で、残る1人は継続検査となっています。
厚生労働省クラスター対策班(国立感染症研究所 鈴木 基 感染疫学センター長)「厚生労働省のクラスター対策班としては、同じ場所で5人以上の患者が発生した時点で「クラスター」。今回の数を考えれば、おのずと「クラスターの発生」ということになる」
厚生労働省から派遣されたクラスター対策班は、船内でクラスター=集団感染が発生したとみていて、長崎県は22日午前、長崎市と厚生労働省、長崎大学などと会議を開き、今後の対応について協議しました。
陽性と確認された人は、軽症であれば基本的には船内の個室で。重症者は県内の感染症指定医療機関での受け入れを想定しています。
長崎市消防局によりますと、県の要請を受けて、22日午後2時半ごろ、船内にいた陽性の患者1人を市内の感染症指定医療機関に搬送しました。
詳しい症状については入っていないということです。
今後の受け入れについては、感染予防の面や外国籍の乗組員が多く言語の課題もあることなどを踏まえて対策を進めます。
加えて、船内での医療体制の不足や消毒作業も必要になることから、自衛隊への支援を要請する方針です。
一方、船の修繕にあたっていた三菱側によりますと、乗組員の出入りについて、当初3月14日以降は乗下船をしていないとしていましたが、その後、実際には乗組員が下船し長崎市内の医療機関を受診していたことを明らかにしました。
クラスター対策班の専門家によりますと、これまでにわかっているクラスター感染の性質や事例からして、今回感染した乗組員が街に出ていたとしても、市内での二次感染の可能性はかなり低いということです
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200422-00010005-ktn-l42